株式市場から姿を消す女性ファッションの「サマンサタバサ」復活の日はいつ?

女性用のバッグやジュエリー、アパレルなどのファッション商品を手がけるサマンサタバサジャパンリミテッド<7829>が、株式市場から姿を消すことになった。

同社は2024年2月末時点で上場基準を満たせない状況に陥っており、親会社である紳士服チェーン大手のコナカ<7494>が、サマンサタバサ株式を100%取得することになったためだ。

2024年7月1日に株式交換によって経営を統合し、これに先立ってサマンサタバサは上場廃止になる。

両社は合併せず、コナカの支援のもとサマンサタバサの本部業務の効率化や、抜本的な構造改革などに取り組み、収益力の改善を目指すという。サマンサタバサの復活の日はいつになるだろうか。

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サマンサタバサのノウハウを活用

サマンサタバサは、2024年2月末までに新規上場審査に準じた基準に適合しなければ、上場廃止となる状況にあり、期日までに基準を満たすことは困難であるとの判断から、今回の措置となった。

経営統合後はサマンサタバサの収益力の改善に加え、サマンサタバサの主要販路である百貨店や都市型商業施設、モール型商業施設、EC(電子商取引)などのノウハウをコナカグループ内で活用するほか、サマンサタバサの女性ファッションに関するノウハウを活かしたコナカグループ全体としての事業展開を模索する。

8期連続の当期赤字に

コナカは2019年にサマンサタバサと資本業務提携し、サマンサタバサを持ち分法適用関連会社とし、翌2020年7月に子会社化した。

これまでに出店ノウハウの共有や商品供給、人材交流などの協業を進めてきたが、当期損益は2017年2月期に赤字に転落して以来、2024年2月期まで8期連続の赤字が続く見通し。

営業損益と経常損益は2018年2月期に赤字に転落し、翌2019年2月期にいったん黒字化したものの、2020年2月期から2024年2月期まで5期連続の赤字に陥る見込みだ。

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コナカも厳しいスタート

一方コナカも、連結対象であるサマンサタバサの影響などもあり厳しい状況が続いている。営業損益と経常損益は2020年9月期から2023年9月期まで4期連続の赤字で、当期損益は2018年9月期から2023年9月期まで、6期連続の赤字に陥った。

2024年9月期は営業、経常、当期の全段階で黒字化を達成できる見込みだが、2024年9月期第1四半期は、前年同期比3.3%の減収、営業損益は1300万円の赤字となるなど厳しいスタートなっている。

サマンサタバサの業績が回復すれば、コナカの数値も改善するため、コナカにとってもサマンサタバサの復活は急務。サマンサタバサに施される抜本改革の効果は、いつどのような形であらわれてくるだろうか。

コナカの業績推移

単位:億円、2024/9は予想

文:M&A Online

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