基準地価、経済活動の正常化で2年連続プラス…住宅地は地方圏で31年ぶり上昇

商業地の最高価格だった東京都中央区の明治屋銀座ビル(中央)周辺(読売ヘリから)=若杉和希撮影

 国土交通省が19日発表した2023年の基準地価(7月1日時点)は、全用途の全国平均が1・0%上昇し、2年連続でプラスとなった。コロナ禍に悪化した地価は、経済活動の正常化と訪日客が戻ってきたことによって、各地で回復傾向がみられる。

 商業地の全国平均は1・5%上昇し、前年より1・0ポイント拡大した。都心部は大規模な再開発が活発に行われており、観光地ではホテル開業を見据えた土地の取引が増えている。在宅勤務から出社に切り替える企業は多く、オフィスが入居する地域も伸びが堅調だった。

 住宅地の全国平均も0・7%上昇した。前年は0・1%上昇で、プラスは2年連続。都心だけでなく、交通の便が良い周辺エリアでも需要は大きく、全体を押し上げた。東京や大阪、福岡といった大都市では、マンションの人気が続き、分譲価格が高騰している。

 都市圏別でみると、東京圏の全用途平均は11年連続で上昇し、上昇幅が拡大した。大阪圏は、大阪・関西万博の開催を25年に控え、観光客が増えるとの期待感もあって2年連続で上昇した。東京、大阪、名古屋の3大都市圏を除く地方圏は、31年ぶりに上昇した。

 商業地の最高価格地は、18年連続で東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」だった。1平方メートルあたり4010万円で、前年に比べ2・0%上昇した。住宅地は、東京都港区赤坂1の14の11で、1平方メートルあたり524万円だった。

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