NY州の水で純米大吟醸「獺祭ブルー」醸造…旭酒造「世界中に日本酒広める契機に」

米国に建設した酒蔵の完成を報告する桜井社長(中央)

 日本酒「獺祭(だっさい)」で知られる旭酒造(山口県岩国市)は23日、米ニューヨーク州・ハイドパーク市で酒蔵の完成式典を開く。海外に初めて設けた醸造拠点で、現地の水を使用した純米大吟醸酒「DASSAI BLUE(獺祭ブルー)」を生産する。

 酒蔵は3月、6万2400平方メートルの敷地に総工費80億円を投じて完成した。製造能力は本社の5分の1相当の年間1260キロ・リットル。7月に本格稼働し、一定の品質を確認できたことから式典開催を決めたという。

 原料は当面、現地の水と日本産の酒米「山田錦」を使うが、徐々に米国産の割合を増やしていく予定。国内の獺祭よりアルコール度数を1度ほど下げ、米国人の好みに合った味わいに仕上げている。

 旭酒造の桜井一宏社長が15日、山口県庁を訪れ、村岡知事に現地で完成式典を開くことを報告。日本酒の国内市場の縮小を踏まえ、「世界中に日本酒を広める契機にしたい」と海外でのシェア拡大を誓った。

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