マニアックな魅力が満載! 大手インポーターに聞いた「いま 売れている“逆輸入バイク”」3選
日本のバイクメーカーは世界各国に市場を持っています。そこには、日本では販売されていない現地向けのモデルもたくさんあります。そんな海外モデルを日本で乗ることができます。いわゆる“逆輸入車”で、メーカー以外のインポーターが独自に仕入れて販売しています。今回は逆輸入車の中から、日本でも人気の出そうな小型車3台を紹介します。
日本メーカーも仕向地に特化させたモデルを展開
“欧州でヒットすると思ったらそうはならずモペッド化して出した”
“アメリカでは日常のアシではなくレジャーに使われ、それをヒントに「ハンターカブ」が誕生した”
これはすべてホンダ「スーパーカブ」のエピソードです。
スーパーカブは全世界で販売されていますが、国により使用用途が異なるため、そこに合わせたカブが生産されています。
このように、日本メーカー製でも日本車ではないモデルは多数存在。
かつてのハンターカブに代表されるように、ユニークなモデルも存在し、日本でもファンができることがあります。
海外専売車は、日本の正規ディーラーで購入することはもちろんできません。
しかしメーカー系ではない企業が独自に輸入・販売を行うケースがあり、それらは“逆輸入車”と言われます。
現在はグローバルモデル化が進みましたが、そうではなかった一昔前は、逆輸入車は当たり前のように流通していました。
日本で売られているものも、海外向けは排気規制などの違いからより馬力が出ていて、“逆車フルパワー”などと呼ばれていたものです。
逆輸入車は日本製でも、“海外モデルを輸入している”ので、輸入車扱いとなります。そんな“特別感”も味わえました。
2024年現在、大型車ではそのようなモデルは少なくなりましたが、小型車では日本未導入車が数多く存在します。
そしてそんな海外専売車を独自に輸入・販売するディーラーのひとつが「バイク館」。小排気量の海外専売車を数多く取り揃える逆車の大手です。
高速道路を走れ、そして安い!!
今回はバイク館の担当者に、販売上位3台の逆輸入車を聞きました。
1台目はホンダ「CB200X」(税込48万4900円)。最高出力12.7kW(17.3PS)/8500rpmを発生する184ccの空冷単気筒エンジンを搭載した小型のアドベンチャー・クロスオーバーモデルとなります。
「燃費50km/hを達成したお客様がいらっしゃいます」とバイク館の担当者。
「車体のサイズはスズキ『V-ストローム250』に近いのですが、より軽量です。またインド製なので、サリーガードが装備されているのも特徴です」(担当者)
V-ストローム250は小排気量のADVとして大人気のモデル。CB200Xは、そのまま日本で発売してもウケそうです。
2台目の人気車種はヤマハ「FZ-X」(税込42万4000円)。最高出力9.1kW (12.4PS)/7250 rpmを発生する149ccの空冷単気筒エンジンを搭載するネオクラシックモデルです。
「国内モデルにはない150cc単気筒エンジンを搭載しています。こちらも燃費が良く50km/hに届くようです。丸LEDヘッドライトのネオクラシカルな外観が人気のあるバイクとなっています」(バイク館担当者)
ネオクラシックモデルですが、タフネス製も感じるボディデザインといえます。
何より、クラッチ式のMTを装備したスポーツバイクであることがポイント。
このようなモデルは、日本国内ではスズキ「ジクサー150」しかありません。もし日本に導入されれば、その良きライバルとなりそうです。
3台目はヤマハ「シグナス125レイZRハイブリッド」(税込26万8000円)。最高出力6kW(8.2PS)/6,500rpmを発生する空冷単気筒エンジンを搭載したスクーターですが、車名にあるとおりハイブリッドであることが特徴です。
「ベースのエンジンは「アクシスZ」や「JOG125」と同系統(構成部品違いはある)の定評のあるエンジンを搭載しています。また、国内モデルではみられないスポーティなボディであることも人気の理由です」(バイク館担当者
ちなみにハイブリッドシステムは、発電機を駆動用モーターとして用いるいわゆる“マイルドハイブリッド”となっています。
「走り出しをアシストしてくれるので加速が楽になり、国内モデルにはない走りの魅力があります」(担当者)とのことです。
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逆輸入車は日本メーカーのバイクで、今回紹介したモデルはどれも車検の必要がないため維持がしやすいといえます。
しかし、正規ではないためディーラーでの整備は断られる可能性があります。
そこでこういう逆輸入車を購入する場合は、購入したディーラーで整備や修理ができるか、購入前に確認しましょう。
なお先に紹介した2つのモデルは高速道路走行が可能です。
バイク館担当者によれば「街乗りでは他車をリードできる加速が可能で、高速道路では追い越し車線に頻繁に乗らずに流す分には十分な走行性能があります」とのこと。
「ただし、ETCが標準装備ではないため、購入時の装着をお勧めします。購入後に『やっぱり最初に付ければよかった』と後悔するお客様は実際にいらっしゃいます」(バイク館担当者)
ETC搭載には費用がかかります。しかし今回紹介した車種は、全車日本の相場よりも安価なのです。
その点も逆輸入車の大きな魅力でしょう。
11/05 12:10
VAGUE