“鷹目”の2代目スバル「インプレッサWRX STI」がオークション登場 希少な“スペックC”ってどんなクルマ?

スバルのハイパフォーマンスカーである「インプレッサWRX STI」の性能にさらに磨きをかけた「スペックC」が、オークションサイト大手の「コレクティングカーズ」に出品されて注目を集めています。いったいどのような個体なのでしょうか。

インプレッサWRX STI最強モデルがオークションに登場

 スバルが、世界ラリー選手権への参戦を目的に開発した技術の集大成が「インプレッサWRX」です。

豪州オークションに登場した2007年製スバル「インプレッサWRX STi スペックC」

豪州オークションに登場した2007年製スバル「インプレッサWRX STi スペックC」

 インプレッサWRXは、2リッター水平対向4気筒エンジンにターボを組み合わせることにより、1994年式の初代モデルでは最高出力250psまで高められます。

 また、初代モデルのボディサイズはコンパクトカー並みということもあってその重量は1220kgしかなく、軽量なボディを生かした走りはシチュエーションによってはスカイライン「GT-R」を凌駕するほどでした。

 そして、レースに勝つためだけに誕生したといってもいいインプレッサWRXは、いくつものマイナーチェンジを重ねるごとに性能を向上させます。

 最終的には2リッターであるにもかかわらず、最高出力は当時の自主規制である280psまで向上し、日本でも大ヒットのクルマとなりました。

 またインプレッサWRXにはスバルのモータースポーツ部門であるSTiが開発した「インプレッサWRX STi」があり、エンジンやサスペンションまで手が加えられ、走行性能の向上につながっています。

 このようにスバルの走りのイメージを支えてきたインプレッサWRX STiですが、オンラインオークション大手の「コレクティングカーズ」に出品されて注目を集めています。

 今回の個体はインプレッサの2代目の後期型にあたる2007年式で、ヘッドライトの形状から「鷹目」と呼ばれているモデルです。

 走行距離は10万4631km、ボディカラーはスバルのワークスマシンでおなじみのブルー(ワールドラリーブルーマイカ)となっています。

本格ラリー仕様の 全世界1000台限定モデル

 そして、今回、注目を集めた理由は世界で限定1000台のみ販売された希少な「Spec C」ということです。

豪州オークションに登場した2007年製スバル「インプレッサWRX STi スペックC」。内装はきわめてシンプル

豪州オークションに登場した2007年製スバル「インプレッサWRX STi スペックC」。内装はきわめてシンプル

 Spec CはWRX STiをベースにウィンドウガラスを薄板のものに交換、ほかにもトランクリッドとボンネットも軽量アルミ製に換装することで、さらなる軽量化につなげています。

 さらに燃料タンクやバッテリーも小型化され、軽量化するほど徹底されています。

 さらにルーフには室内にフレッシュエアを送れるようにベンチレーターも装備し、本格ラリー仕様といえるでしょう。
 
 アルミホイールはオリジナルの17インチで、スポークの間からはゴールドのbrembo社製ブレーキキャリパーの装着が確認できます。

 エクステリアは基本的にオリジナルですが、マフラーは社外品のものに交換されています。

 また塗装の深さは、最小50ミクロン、平均で70ミクロンの厚さが記録されており、年式を考慮すれば良好な状態といえるでしょう。

 ただし、デカールを剥がした跡が残っていることと、フロントリップには補修済みの小さなひび割れがあるとコメントしています。

 インテリアは手が加えられており、ダッシュボードには「STI Genome」補助ゲージセットが追加され、他にもターボタイマーやハンドブレーキボタンが取り付けられていました。

 ほかにはオーディオもApple CarPlayとAndroid Auto対応のケンウッドインフォテインメントヘッドユニットに換装されています。
 
 また、最後の整備は10万4000km時におこなわれ、エンジンオイルやフィルター以外にもカムベルトの交換までおこなわれる大掛かりなものです。

※ ※ ※

 今回のオークションは2024年9月6日に終了されており、落札金額は3万3500オーストラリアドル(約325万円)で落札されました。

 軽量でハイパワーながらも、4ドアセダンベースということもあって普段使いでも活躍できるインプレッサWRX STIは、10万kmオーバーでも人気の高いクルマといえるでしょう。

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