ミニバンにもレクサス流の“おもてなし”が満載! 見た目や触感だけじゃない 新型レクサス「LM」6人乗りの“上質感”とは

レクサス初のミニバンとして2023年10月に日本で登場した新型「LM」。2024年5月には6座仕様も追加されました。今回はその新しい6座仕様に乗り、レクサスならではの上質感を考えます。

アル/ヴェルとの決定的な違いとは

 最近レクサスの出来が良くなっているという情報を聞いて興味が湧き、レクサス新型「LM 500h version L(6人乗り)」を借りました。

 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」のお色直し程度かと思っていたら大間違い。実物を目の前にするとLMは格が違うことに気付きました。

レクサス新型「LM version L(6人乗り)」

レクサス新型「LM version L(6人乗り)」

 全長4995mmで収まっているアル/ヴェルに対して、レクサスLMは5125mm、全幅も40mm広がって1890mmになり、ボディパネルデザインも異なります。

 新型LMに近づくと高級感が漂ってきますが、それは外装色のせいです。ソニックアゲートと呼ばれる小豆色に近いメタリックですが、塗装の厚みを感じるほど深いところから反射してくる色でした。

 ソリスホワイトと呼ぶインテリアにセミアニリン革(フロントとサードシート)、L-ANILINE革(セカンドシート)が組み合わされ、これも乗り込んだ友人が「おおっ」と声を上げたくなる仕上がりです。

 ちょうど「山口京一AJAJ名誉会員講演会」の開催があったので、終了後に筆者がドライバーを担当し、山口ファミリー3人と3列目にはAJAJ事務局M氏も含めて5人で乗りました。

 セカンドシートは電動で調整できますが、乗り込むときには手動でシートを前にスライドすることで簡単にサードシートへの道が作れます。

 大きくスライドするセカンドシートにはシートベルトが組み込まれています。このインテグレーテッドタイプのシートベルトは装着しやすく、乗員の不快感が少なくベルトによる拘束力も高いので、安全性のレベルも一段上になるはずです。VIPを乗せる席には最適です。

 ドアの内張りなどにも革が貼ってあり、触るとソフトさも感じられ、これもレクサスの上質な造りを味わえるところです。

 レクサスLMには、4人乗りのEXECUTIVEも用意されています。こちらはフロントシートとのパーティーションがあり、後席空間は隔離されます。サードシートはなくなりますが、セカンドシートに座ったときの頭の位置はCピラーとDピラーの間に来ますからレッグスペースには大きな余裕が生まれます。

 ただ6人乗りの場合には、サードシートを折り畳むとラゲッジルーム、出せば6人座れるという便利さがあります。それもセカンドシートに3人乗りの窮屈さを味合わなくても済む6人乗りは長距離ドライブでも快適性も高いです。

「乗員が揺れない」という優れた乗り心地

 今回試乗したときに、1人、2人、5人乗りでの走行を試すことができましたが、どの人数でも素晴らしい乗り心地が味わえました。タイヤ、バネ、ダンパー、ボディ剛性、遮音などを徹底的に追求して、快適性を追求したものだと思います。

レクサス新型「LM version L(6人乗り)」の走行シーン

レクサス新型「LM version L(6人乗り)」の走行シーン

 乗り心地が良いというと単に「ソフト」だと考えてしまうのは昭和のレベルです。

 新型LMは「乗員が揺れない」乗り心地なのです。工事などによる不整路面ではタイヤに当たる角張った振動は来ないし、サスペンションが上下に動いていなしてくれるので揺れがボディに伝わらない、さらに高速道路などの橋桁を通過するときのような大きなうねりではゆっくりとした上下動により、乗員は常にリラックスした状態で乗っていられます。

 タイヤが太過ぎないので、タイヤの重さによる振動の減衰も早く、床下でブルブルと感じることもありませんでした。

 ブレーキペダルの踏み心地もなかなか良かったです。レクサス「RZ」ほどストロークなしのコントロールではないのでちょうどLMのキャラにあったブレーキフィールでした。

 ハンドルフィールも高いレベルでした。ニュートラル付近の遊び感はなく、切り始めの微小舵からかなり正確に反応がありますから安心感が出ています。かといって応答のゲインが高いわけではないので扱いやすく、疲れないハンドル応答性でした。

 首都高速道路をワインディングロードに見立てて走ることができるほど、ハンドリング性能も良いです。ロールは小さく抑えられていて、コーナーでの安定性とハンドルによる回頭性の良さがドライバーの腕に応えてくれます。どこまでもスムースに走ろうとするとクルマがついてくるコントロール性を持っているということです。

 2.4リッターターボガソリンエンジンにはハイブリッドシステムが組み込まれています。エンジンは202kW(275ps)、460Nmのパワーとトルクを発揮しますが、フロントモーターは292Nm、リアモーターは169Nmを発揮できるので、2440kgの車両重量でも楽々走らせます。

電気モーターのバックアップによって静かな室内を実現していますが、アクセルペダルを深く踏み込んで加速すると4気筒エンジンの軽い感じの、つまりちょっと高音域の唸り音が運転席に聞こえてきます。後席ではそうでもないようですが、運転席で気になるのはそれ以外の騒音がないせいだと思います。

 レクサスLMは、細かく見れば見るほどに匠が納得できるところまで仕上げたクルマだという感じがしました。

レクサス新型「LM version L(6人乗り)」のインテリア

レクサス新型「LM version L(6人乗り)」のインテリア

LEXUS LM500h version L
レクサスLM500h バージョンL(6人乗り)

・車両本体価格(消費税込):1500万円
・全長:5125mm
・全幅:1890mm
・全高:1955mm
・ホイールベース:3000mm
・車両重量:2440kg
・エンジン形式:直列4気筒ターボ
・排気量:2393cc
・エンジン最高出力:275ps/6000rpm
・エンジン最大トルク:460Nm/2000−3000rpm
・フロントモーター最高出力・最大トルク:87ps・292Nm
・リアモーター最高出力・最大トルク:103ps・169Nm
・燃費(WLTC):13.8km/L
・駆動方式:4WD
・変速機:6速AT

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