「えっ…」薄さ1.65mm!? プロトタイプだけど面白すぎ!ユニークな“スマイル”も健在の超薄型時計に込めた独創性とは

コンスタンチン・チャイキンより、ケースの厚さわずか1.65mmを達成した超薄型時の機械式時計「ThinKing(シンキング)」が発表されました。文字盤の“スマイル”が特徴の「Wristmons(リストモン)」シリーズのひとつとして世界最薄時計へ挑戦しています

●人気作「ジョーカー」の流れを汲むスマイルも刻印

 ロシアの独立時計職人、コンスタンチン・チャイキンは、2003年に訪れたブレゲ展で感銘を受け、28歳にして独学で時計製造の道を歩み始めました。

“天才”とも評される彼は、ロシア人では初となる独立時計師として頭角を現し、技巧とデザインの独自性が融合した唯一無二の時計は、世界中の愛好家から多大な注目を集め続けています。

 とりわけ、ムーンフェイズを備えたレギュレーター時計の文字盤を顔に見立てて生み出した「Wristmons(リストモン)」シリーズの「ジョーカー」は、彼の名を世界中に知らしめた代表作。

 このリストモンシリーズの持つユーモラスと、多くの時計職人が挑戦する超薄型時計という難題とを掛け合わせたユニークな挑戦が、今回発表となった超薄型時計、1.65mmという薄さを達成した「ThinKing(シンキング)」です。

薄さ1.65mmを達成した「ThinKing(シンキング)」にもまたチャイキンのアイコニックなほほえみが

薄さ1.65mmを達成した「ThinKing(シンキング)」にもまたチャイキンのアイコニックなほほえみが

 左側には時刻表示を、右側には分表示のダイヤルを備えてキャラクターのような“目”を構成。

 そしてその下には、アーチ状にブランドロゴが描かれており、まるでスマイルの口元のように。これはもちろん「ジョーカー」のスマイルを踏襲したものでありファンサービスのように愛好家たちに微笑みかけています。

「ThinKing」の開発にあたってコンスタンチン・チャイキンは、他の時計職人たちの技術的課題を研究して独自の解決策を模索し、超薄型巻き上げバレル、ダブルバランスホイール、さらには特別なストラップデザインに関しての3つの特許を申請。

 カバーを廃しパルとスプリングを一体化した設計のバレルと、ふたつのバランスホイールに機能を分散させひとつのレベルを省略するダブルバランスホイールがその驚くべき薄さに貢献しており、さらに、チタン製サポートと弾性インサートを組み込んだストラップがケースへの負荷を軽減することで安全な着用を担保しています。

 もちろん軽さも世界最軽量級となり、ストラップを除けばわずかに13.3gという信じ難い軽さ。

「ThinKing」というネーミングには、「思考から生まれた時計(ThinKing)」と「薄型時計の王(The King of Thin Watches)」の二重の意味が込められているとのこと。

 今回プロトタイプとして発表された「ThinKing」のプロジェクトは進行中であり、さらなる改良と発展が期待されています。

●製品仕様
「ThinKing(シンキング)」
ケース寸法:厚さ1.65mm、直径40mm
重量:13.3g(ストラップなし)
ムーブメント:超薄型キャリバーK.23-0(コンスタンチン・チャイキン製)
機能:ジョーカー表示による時刻表示
素材:ステンレススチール
ストラップ:特製のブラックアリゲーターレザーストラップ(弾性インサートおよびチタン製サポート付き)

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