「日本人の平均年収は458万円」でBMWの人気セダン「5シリーズ」は買えますか? 「無理のない購入」には年収はいくら必要か!?

BMWの「5シリーズ」セダンは、ビジネスセダンの代名詞ともいわれるスポーティなミドルクラス車です。最安モデルでも消費税込798万円と高価ですが、オーナーになるにはどれくらいの収入があるといいのでしょうか。

798万円~のBMW「5シリーズ」は年収がいくらあれば買える?

 BMW「5シリーズ」セダンは、同社のミドルクラスセダンとして1974年に誕生しました。

 誕生からすでに50年が経ちますが、BMWの「駆けぬける歓び」というスローガンどおり、常に走りの本質を追求している姿が魅力的です。

デザインもメカニズムも意欲的に刷新したBMW新型「5シリーズ」

デザインもメカニズムも意欲的に刷新したBMW新型「5シリーズ」

 ヨーロッパ市場では社用車に用いられることも多く、スポーティなビジネスセダンとして知られています。

 現行モデルは、2023年に登場した8代目。フルモデルチェンジに伴い、「5シリーズ」初となる電気自動車「i5」をラインアップに加えたことでも話題となりました。

 フロント回りには、BMW伝統の“キドニーグリル”をライトアップするギミックが導入され、さらに、上位の「7シリーズ」に近い先進的なインテリアを採用するなど、エレガントな存在感を高めています。

 エンジン車は、48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載し、ガソリンエンジンを組み合わせた「523i」と、同じくディーゼルエンジン搭載の「523d」の2モデルを展開します。一方、電気自動車版の「i5」では、3つのバリエーションを設定しています。

 そんな「5シリーズ」のエントリーグレード「523i エクスクルーシブ」は、消費税込で798万円というプライスタグを掲げています。

 では、この「523i エクスクルーシブ」のオーナーになるためには、どれくらいの年収があるといいのでしょうか?

 国税庁の統計調査によると、2022年度の日本の平均年収は457万6000円だといいます。男性の平均は563万3000円、女性は313万7000円ですから、仮に共働き世帯として男女の平均を足してみると、世帯年収は877万円となります。

 一方、無理なくクルマを購入するには、購入費用の2倍の年収があるのが望ましいといわれています。そうなると798万円の2倍、つまり年収は1596万円あるのが望ましいということになります。

 一般的な人が「523i エクスクルーシブ」のオーナーとなるのは、例え共働き世帯であっても難しいかもしれません。

●ローンやリースを使えば「5シリーズ」に乗れる?

 ローンを組んでみた場合はどうでしょうか?

 一般的に、オートローンを利用する場合、毎月の返済額は手取り額の2割以下に抑えるのが望ましいとされています。

 世帯年収877万円を単純に12で割ると、月額は73万円ほどになり、そこから社会保険料や所得税などが25%源泉徴収されると考えると、月の手取り額は約55万円となります。

 このうち2割の約11万円を、月々の返済に充てられることになります。

 BMWの「5シリーズ」は安全機能やコネクテッド機能がほぼ標準装備されているため、車両本体価格のみでローン額を試算してみましょう。

 金利4.29%の5年ローン(60回払い)、頭金とボーナス払いをなしとすると、毎月の返済額は14万800円となりました。これだと月の手取り額約55万円では支払えそうにありません。

 そこで、頭金160万円とし、ボーナス払いを毎回15万円ずつとすると、月々の支払い額は9万3300円に。また、支払い期間を7年ローン(84回払い)に延ばすと、月の支払額は6万3000円になります。

 ちなみに、仮に最長の10年ローン(120回)にすると月額は4万4000円にまで下がるので、平均年収457万6000円でも無理なく支払うことができそうです。

 インポーターであるビー・エム・ダブリューでは残価設定ローンも利用できます。

 残価設定ローンは車両本体価格の一部を3年後や5年後の予想下取り価格(残価)として最終回まで据え置き、残りの金額を分割で払っていくシステム。月々の負担を軽減できます。

 最終回には一括払いや再ローンで残価を精算する必要がありますが、そのほかに新しいBMW車に乗り換えたり、クルマを返却したりといった選択肢もあります。

 ビー・エム・ダブリューの公式サイトによると、現在は「5シリーズ」の購入に対して、金利が2.49%に優遇されているようです。

 この条件下で5年ローン(60回払い)、頭金160万円、ボーナス払い15万円と仮定すると、月々の返済額は3万9500円になります。

 さらに、ローン契約者が最終回に支払う残価額を選択できる残価設定ローンも用意されています。

 この場合、毎月の返済額を下げることはできますが、最終回時にはクルマを査定し、残価との差額分とを合わせて精算しなければなりません。また、下取り精算による乗り換えや、クルマ売却による精算も選択できます。

 一方、リースで「523i エクスクルーシブ」に乗るという選択肢もあります。

 リース料金は、ビー・エム・ダブリューが設定した残価を引いた金額に、登録時諸費用や保険、税金などを加えて算出されます。クルマに関する月々の支払いは一定になりますが、契約終了時はクルマを返却しなければなりません。

 あわせて、契約者が残価を設定し、契約終了時に査定価格との差分を負担するリースも利用できます。この場合、契約満了時に「523i エクスクルーシブ」を買い取ることもできます。

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 BMW「5シリーズ」のオーナーになるには、ローンやリースを利用するとハードルがグッと下がりそうです。金利や諸条件で毎月の支払い額が上下するので、手が届きそうという人は経済状況と合わせて検討してみるといいでしょう。

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