スーパーカー世代には忘れられない名車!? 70年代のブームをけん引した“世界初のスーパーカー”ランボルギーニ「ミウラ」ってどんなクルマ?

世界初のスーパーカーといわれるランボルギーニ「ミウラ」が、オークション最大手の「サザビーズ」に出品されていました。いったいどのような個体なのでしょうか。

世界初のスーパーカーである「ミウラ」の極上車がオークションに登場

 数多くある自動車のなかで、“世界初”のスーパーカーとしてあらゆるファン層から支持を得ているクルマがランボルギーニ「ミウラ」です。

オークションに登場した1972年式ランボルギーニ「ミウラP400 SV 」Darin Schnabel  ©2024 Courtesy of RM Sotheby's

オークションに登場した1972年式ランボルギーニ「ミウラP400 SV 」Darin Schnabel ©2024 Courtesy of RM Sotheby's

 1967年に誕生したミウラは、ランボルギーニ初のミッドシップモデルとして当時としては考えられないほどの美しいフォルムのクルマとして、大きな注目を集めました。

 デザインはイタリア工業デザインを代表する「ベルトーネ」のなかでも、天才カーデザイナーとして名高いマルチェロ・ガンディーニ氏が担当しました。

 日本のスーパーカーブームの立役者でもあるマルチェロ・ガンディーニ氏は、ミウラの後継車種である「カウンタック」のデザインも担当しています。

 ミッドシップならではの低いボンネットやBピラーに設けられたエアインテークは、現在のスーパーカーに通じるもので、半世紀以上も前のクルマとは思えないほどの美しいデザインです。

 ミウラは流麗なボディライン以外にもポップアップする丸目のヘッドライトが特徴的で、初期型のモデルである「P400」と「P400S」には通称まつ毛と呼ばれる装飾が施されていました。

 その後、最終モデルである「P400 SV」のヘッドライト周りはシンプルなパネルに変更され、同時に軽量化にも貢献しています。

 さらにP400 SVではボディデザインもフロント、リアともにカウル形状が変更され、リアフェンダーも大きくワイド化されました。

 そんなP400 SVのパワートレインは3.9リッターV型12気筒とP400とP400Sと同じ型式ですが、ピークパワーは15㎰アップの385psまで高められました。

 また、これまでのミウラではオイルの潤滑をエンジンやミッションまでエンジンオイルでまかなっていましたが、P400 SVでは個別のオイルパンを使用することでトラブル回避に貢献します。

 そんなミウラのなかで最も価値の高いP400 SVが、オークションハウスの老舗である「サザビーズ」に出品されて注目を集めています。

ジャミロクワイのボーカル「ジェイ・ケイ」の元愛車 驚きの落札金額とは?

 今回の出品車両は1972年式で、ボディカラーはロッソ・コルサ(赤)となっており、走行距離はメーター読みでわずか202kmしか走っていない個体となっています。

オークションに登場した1972年式ランボルギーニ「ミウラP400 SV 」Darin Schnabel  ©2024 Courtesy of RM Sotheby's

オークションに登場した1972年式ランボルギーニ「ミウラP400 SV 」Darin Schnabel ©2024 Courtesy of RM Sotheby's

 さらに今回の出品で話題になったのは、歴代オーナーのなかに「ジャミロクワイ」を率いるボーカルの「ジェイ・ケイ」が含まれていることです。

 エクステリアはP400 SVからワイド化されたリアフェンダーが特徴で、スーパーカーらしいアグレッシブな印象を与えます。

 また、フェンダーの拡大に伴い、リアサスペンション下部のアンカーポイントとアームが改良されたことで130mm近くワイドトレッド化し、リアのトラクション性能も向上しました。

 さらにタイヤサイズも前後異形サイズに変更され、フロント205mmに対してリアは50mm広い255mmになりました。

 同時にホイールサイズもフロントが7.0J×15に対しリアが9.0J×15と拡大されています。

 インテリアはダッシュボードやシートなどがグレーのレザーで覆われ、スピードメーターは320km/h、タコメーターは1万回転まで目盛りが刻まれており、当時としては異例なスペックだということを物語っています。

 内外装のコンディションは非常によく、ホイールやエンジンルームをとっても、劣化を確認するのが難しいほど修復されており、イタリアのブランド専門家、クレモニーニ・カロッツェリアによってレストアがおこなわれました。

 レストア後はほとんど使用されておらず、大切に保管されたまま今回の出品に至ったようです。

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 今回のオークションは落札希望価格は275万ドル(約4億3268万円)から350万ドル(約5億5069万円)となっていましたが、6月1日に行われたオークションの結果では最終的に490万ドル(約7億6663万円)まで高騰、落札されました。

 クルマとしては高額取引となりますが、世界初のスーパーカーであり、わずか150台しか製造されなかったSVシリーズの極上車ということを考慮すれば、妥当なのかもしれません。

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