“普通二輪免許”で乗れるKTM発「単気筒スポーツバイク」の印象とは? “排気量アップ”で走りの爽快感アップ! アグレッシブな見た目も特徴です

高性能なバイクを多数リリースしているオーストリアのKTM。その中核を担う「DUKE」シリーズがモデルチェンジしました。なかでも今回は、“普通二輪免許”で乗れることから日本でも人気の「390 DUKE」の魅力をご紹介します。

従来モデルから90%以上のパーツを刷新

 オーストリアに本拠を置くバイクブランド・KTMは、“Ready to Race=いつでもレースに参加できる”をモットーに、高性能なバイクを多数リリースしています。

 その中核を担う「DUKE(デューク)」シリーズが先頃モデルチェンジ。その魅力をご紹介したいと思います。

特徴のひとつである単気筒エンジンの排気量を373ccから398.7ccへと拡大し、さらに走りの爽快感がアップしたKTM新型「390 DUKE」

特徴のひとつである単気筒エンジンの排気量を373ccから398.7ccへと拡大し、さらに走りの爽快感がアップしたKTM新型「390 DUKE」

 KTMの「DUKE」シリーズは、オフロードレースを中心に活躍していた同ブランドがオンロードへ進出するきっかけとなったシリーズ。

 なかでも「390 DUKE」は、オフロードマシンゆずりの単気筒エンジンを、個性的なルックスの車体に搭載したある意味、KTMらしいモデルです。

 同じ車体に250ccや125ccのエンジンを搭載した兄弟モデルもラインナップされており、先頃“スモールDUKE”と呼ばれるシリーズがフルモデルチェンジ。エンジンやフレームまで一新されました。

 今回フォーカスする新型「390 DUKE」は、特徴のひとつである単気筒エンジンの排気量を373ccから398.7ccへと拡大。シリンダーヘッドやトランスミッションなども見直しが図られ、ユーロ5+の排ガス規制に対応しながら従来モデル比で1psのパワーアップと2Nmのトルクアップを果たしています。

 鋼管パイプを組み合わせたトレリスフレームも構造を一新。大きく目立つ部分では、リアサスペンションが車体の右側にマウントされるようになっています。

 この構造によってエアクリーナーボックスの容量がアップ。パワーアップにひと役買うとともに、シート高を下げることにも貢献しています。ちなみにオプションのローシートを装着すれば、シート高は800mmまで下げることができます。

 電子制御が充実しているのも、新型「390 DUKE」のトピックです。新型からライドモードの切り替えに対応し、発進時にアクセル全開のままでも最適な回転数をキープするローンチコントロール機構も採用されました。

 トラクションコントロール機構やABSももちろん搭載されていて、ABSはリアのみキャンセルできるスーパーモトモードも選択可能。オプションとしてクイックシフターも設定されています。

 足回りは前後ともWP製のAPEXサスペンションを装備し、フロントフォークはオープンカートリッジタイプとなっています。

 トリプルクランプのオフセット量も見直されており、ホイールも軽量タイプへと刷新されています。

 従来モデルと比較すると、実に90%以上のパーツが新しくなるなど、本気度の伝わってくるフルモデルチェンジといえそうです。

●さらにキレを増したコーナリング性能

 新型「390 DUKE」は着座位置がかなり前方に位置していますが、これは初期モデルから受け継がれる「DUKE」シリーズの伝統です。

 オフロードバイクをルーツに持つがゆえのライディングポジションともいえますが、これは近年のロードスポーツでもトレンドとなっているスタイルです。

 ただし、従来モデルと比べるとポジションの自由度が拡大している印象。シートは厚みが増しているもののクッションにコシがあるため、リアタイヤのグリップをお尻で感じながらライディングを楽しむことができます。また、シートの前方が絞り込まれているので、足つき性も向上しています。

 エンジンは単気筒ですが、ボア88mm×ストローク64mmというショートストローク設計のため、鼓動を感じるというよりも高回転域まで回してパワーを稼ぐようなタイプ。吹け上がりもスムーズで、どんどんアクセルを開けたくなるような特性です。

 それでも、従来モデルに比べてストロークが4mm長くなっている分、低中回転域の粘りが増し、より乗りやすくなった印象を受けました。コーナーの立ち上がりにおけるダッシュ力が向上しているほか、街乗りでも扱いやすくなっています。

 足回りの刷新によって、タイトなコーナーから高速コーナーまで、軽快感も安定感もさらに向上。特に軽量化されたホイールの恩恵で、進入時の倒し込みはキレを増しています。

 前述のように、リアタイヤのグリップが把握しやすくなっているため、車体を寝かした状態での安心感も高く、トラクションコントロール機構と相まってスポーツライディングを楽しみやすくなっています。

* * *

 このところ400ccクラスの単気筒バイクが人気を集めていますが、その中にあっても「390 DUKE」はスポーツ性能にフォーカスした異色の存在です。軽さとダッシュ力というシングルスポーツの魅力を味わえる稀有なバイクともいえるでしょう。

 それでいて、扱いやすさも兼ね備えたモデルなので、ビギナーからベテランライダーまで、走りを楽しみたい層にはうってつけのバイクといえるでしょう。

●製品仕様
・価格(消費税込):78万9000円
・ホイールベース:1357mm
・シート高:820mm
・重量:165kg
・エンジン:水冷単気筒DOHC4バルブ
・総排気量:398.7cc
・最高出力:45ps
・最大トルク:39Nm

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