人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?

数ある無料地図アプリのなかでも圧倒的なシェアを誇るのが「Google Map(グーグルマップ)」です。常に最新の道にアップデートされ、使い勝手の良さでクルマのユーザーも使用している人も多いアプリですが、自動車に装着するカーナビと比べるとルート案内などに“クセ”があるようです。どんなものなのでしょうか。

いまでもグーグルマップは「細い道を案内しがち」

 初めて訪れる場所など、道を知らないところをドライブするときも、キーワードひとつでルートを探索、ナビゲートしてくれるGoogleMap(グーグルマップ)は、本当に便利なスマホアプリです。

 しかも、ただ道を案内してくれるというだけでなく、「もっとも所要時間の少ないルート」を提案、「有料道路を使わない」などルートのカスタマイズにも対応するほか、「うろおぼえの店舗名」「場所と名物料理」などのキーワードでも目的地の候補を挙げてくれるなどの使い勝手の良さで、多くの利用者の支持を集めています。

 ただその一方で、グーグルマップというアプリの“クセ”を理解しないと、期待どおりに使いこなせないケースがあるのも事実です。

ユーザー数も多い無料地図アプリ「Google Map(グーグルマップ)」。使いやすく便利だが、ルート案内には注意が必要だ

ユーザー数も多い無料地図アプリ「Google Map(グーグルマップ)」。使いやすく便利だが、ルート案内には注意が必要だ

 たとえグーグルマップが「ほかのカーナビアプリに比べ、細い道を案内しがち」というのは、その一例でしょう。ここでは、そういったクセとうまく付き合う方法や注意点を案内したいと思います。

 まずは、目的地の検索にかかわる問題です。

 前述のように、グーグルマップは曖昧なキーワードや一部が間違った店舗名で検索しても、多くの場合は適切な候補を上位に挙げます。

 しかし目的地が、これまであまり検索されたことのない新店舗だったり、曖昧なキーワードに引っかかる目的地がほかにもある場合などは、利用者が想定しているものと違う目的地の候補が検索結果の上位に表示されることがあるのです。

 その候補をそのまま目的地に設定して走りはじめたときでも、土地カンのある場所であれば、すぐに気づくでしょう。しかしグーグルマップを頼る場合は、あまり知らない場所であることが多いため、目的地に着いて「あれれ?」と思ってしまうこともありそうです。

 こうした間違いは、出てきた候補について、たとえばグルメサイトなどほかの情報源と見比べ、住所が一致しているか確認するなどの「ひと手間」があれば、回避できます。

 またグーグルマップは「物理的にたどることが困難なルート」を示すこともあります。

 たとえば渋滞しがちな都市部の複数車線がある道路で、右折車線が混雑して信号を複数回待つような状況になっているとき、いったん左折して裏道を回り、その信号の直前で元の道に復帰して、信号を右折するよう案内するというものです。

 しかし実際に元の道に復帰したときには、右折車線にはクルマがぎっしりと並んでいて、そのなかに割り込むには直進車線をふさぐようにクルマを進める必要があり、ふつうは躊躇してしまうことになります。

 おそらくグーグルマップのアルゴリズムは、「いまの道を直進してから右折すると、交差点まで時間がかかる」「裏道を回れば、その交差点まですぐに行ける」という判断をもとに、こうした案内をするのでしょう。

 しかし結果的に右折できなければ、いったん直進してUターンする、もしくはつぎの交差点を右折して大回りするなど、かえって時間がかかることになります。

 もしグーグルマップがこうした「細かい回り道で右折する交差点の手前で戻ってくるようなルート」を案内するときは、無視してそのまま直進し、右折レーンに並ぶことをおすすめします。

自車の位置を誤認識することもある

 最後に高架と地上など、道路が上下に併走するときに見られる、グーグルマップの自車位置の“誤認識”です。

高架と地上など、道路が上下に併走するときにグーグルマップは自車位置を誤認識しやすい

高架と地上など、道路が上下に併走するときにグーグルマップは自車位置を誤認識しやすい

 そうした場所で、自車が地上の一般道を走っているのに、スマホのグーグルマップの画面は高架の高速道路上にいると表示されることを実体験した利用者も多いでしょう。

 こうした場合は、適切な場所での右左折の案内が受けられません。いったんコンビニなどに入るなどして高架道路の下から離れ、自車位置を再認識させましょう。

 また自車位置は正しくても、グーグルマップが所要時間の計算にこうした“上と下”を混同し、その結果として「実際には早くないルート」を推奨するケースがあります。

 具体的には、目的地までの間に首都高の下を信号の多い生活道路がある場所で、わざわざその首都高の下の道を推奨ルートとして示すことがあるというものです。

 その推奨ルートに従って走ると、信号に何度もつかまり、所要時間も当初示されていた予想所要時間を大きく上回ることになります。

 つまりこれは、グーグルマップの所要時間の予測が首都高を走るクルマのデータに引っ張られ、高架下の生活道路も「早い道である」と誤認識することによるものと考えられます。

 こうしたケースでは、実際に走ってみるまで状況がわからないため、利用者側は対策が難しいというのが実情です。

※ ※ ※

 ただグーグルマップは頻繁にアップデートし、アルゴリズムもよりよいものへとブラッシュアップを続けています。

「たどれないルート」「高架上下の誤認識」の問題については、そうしたアップデートで解決できることを切に願う次第です。

ジャンルで探す