「103万円の壁」引き上げと財源の“落としどころ”は?40人に聞いた“希望”

自民・公明の与党と国民民主党の政策責任者は、いわゆる「103万円の壁」の見直しも明記した形で政府の経済対策について合意しました。「壁」はどこまで引き上げるのでしょうか。

国民民主党 浜口誠 政調会長
「103万円の壁については、令和7年度の税制改正の議論の中で引き上げると言い切っていただいた」

「103万円の壁」の引き上げをめぐる次の争点は実際にいつ、どこまで引き上げるかです。街の人は…

「(引き上げ幅が)高ければ高いほどやって、税金を低くしてほしい。自衛隊のジェット機なんて買わなくていい」

40人に聞いた“希望”はこんな分布に。

やはり課題は8兆円規模とみられる税収減ですが、国民民主党は「178万円」を譲らない構えです。

国民民主党 玉木雄一郎 代表
「取り過ぎた税収を還元するということなので、新たに財源を見つけてくる話ではそもそもない」

ただ、こうした主張に政府では根強い抵抗感が。

財務省幹部
「財源は政府が考えろというスタンスは無責任にもほどがある」

5兆円の減収となる地方は簡単に債券を発行できないため、こんな悲鳴も…

総務省幹部
「借金をして穴埋めすることはできない。住民サービスや給与をカットせざるを得ない」

生活苦から期待を寄せる人も多い「壁」の引き上げと財源。並び立つ“落としどころ”は見つかるのでしょうか?専門家は…

第一生命経済研究所 熊野英生 首席エコノミスト
「178万円というのは現実的ではなく、120万円にすれば現実的であり、当座の働き控えを防止するには、そのくらいでいいんじゃないか」

国民民主党が主張する最低賃金ではなく、物価の伸びをもとに計算した「120万円」を提案。減収は1兆7000億円程度で地方財政にも「大きな穴は開かない」と言います。

多くの有権者が期待を寄せる「壁の引き上げ」ですが具体的な議論はまさにこれから。

年末にかけて、国民民主党と政府・与党の間で激しい綱引きが続きそうです。

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