歴史的な円安に…日銀 植田総裁“物価高に現時点で大きな影響はない” 円相場は1ドル=156円台まで下落

現在、円相場は1ドル=156円台まで下落しています。日銀の植田総裁はこの歴史的な円安について、物価高に「現時点で大きな影響はない」と述べました。

記者
「日銀の発表を受け、1ドル=156円まで円安に進んでいます。円安がとまりません」

日銀が金融政策の維持を決めたことが伝わると、1ドル=155円50銭台で取引されていた円相場は一気に突き抜けました。円売りを加速させたのは…

日本銀行 植田和男 総裁
「緩和的な金融環境が継続する」

動かなかった日銀です。日銀はきょうまで開かれた金融政策決定会合で政策の現状維持を全員一致で決めました。

質問が集中したのは日本とアメリカの金利差が開いていることによって進む円安。

日本銀行 植田和男 総裁
「ここまでの円安が、いまのところ、大きな影響を与えているということではないと判断」
Q.(円安の)基調的な物価上昇率への影響は無視できる範囲という認識か?
「はい」

植田総裁は円安が物価高に無視できない影響があれば、政策変更の判断材料になるとしつつも、今現在進んでいる円安は「大きな影響はない」との認識を示しました。

この会見が始まったときには1ドル=156円01銭だった円相場は156円後半まで一気に下落。

りそなグループ カスタマーディーラー
「早期の利上げを示唆するような発言がなかったので、円売りが進んでいると思う」

一段と進んだ円安に為替介入への警戒感が高まる中、鈴木財務大臣は…

鈴木俊一 財務大臣
「特にコメントはありません」

その後、17時過ぎに一時154円台まで2円近く円高になった場面があり、市場と政府・日銀の神経戦が熾烈さを増しています。

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