1ドル=154円 円安で家計負担は「11万円増」試算も 「電気」「都市ガス」負担軽減措置打ち切りで家計に打撃

外国為替市場では、きょうも円相場が1ドル=154円台で推移しています。この円安水準が続けば、家計の負担が年間でおよそ11万円増えるとの試算も出ています。

17日にワシントンで行われた日米韓3か国による初めての財務相会談。議論されたのは急速に進む円安で、共同声明では「最近の急速な円安やウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識する」と表明しました。

鈴木俊一 財務大臣
「急速な円安やウォン安について、認識を3か国で共有することができた」

そのうえで、外国為替市場の動向について緊密に協議していくことを確認しましたが…

記者
「円相場はきょうも1ドル=154円30銭台をつけています」

歴史的な円安は身近な食品にも影響を及ぼしています。

およそ80種類のパンを販売するこちらのお店。イチジクとクルミを使った食パンが人気ですが…

セイルノッツ 渡辺祐也 店長
「商品すべて1割ほど値上げさせていただきました」

ロシアによるウクライナ侵攻の長期化で原材料となる小麦の価格が上昇していましたが、“円安が追い打ちをかけている”と話します。

苦しい状況の中、輸入のドライフルーツに国産のジャムを混ぜたパンを開発し、価格を抑えました。

セイルノッツ 渡辺祐也 店長
「(円安が)止まればいいですけれども、もしかしたら少し値上げをさせていただくかもしれないですが、可能な限り努力していきたい」

民間のシンクタンクによると、154円台が今後1年続き、原油価格も現状と同じ水準で横ばいだった場合、2人以上の世帯の負担は前の年度より11万円近く増えると試算しています。

中でも今後、“大きな負担”となりそうなのが、電気と都市ガス料金の負担軽減措置の打ち切りです。

70代
「できれば補助は欲しい。やっぱり値上げは嫌」
30代
「エアコンを使わないと子供がいる家庭は困るので、(措置の打ち切りは)タイミング的に悪い。夏に向けて安くなってほしい」

政府は物価高対策として始めた負担軽減措置を5月の使用分から半分程度に縮小、6月からは補助を無くします。この影響で光熱費の負担が3万8000円増える計算です。

20代
「(物価は)もっと上がっていくと思う。昔に比べて気軽に色々なものを買えなくなっちゃった」 

物価の上昇に賃金の伸びが追いついていない中、歴史的な円安と電気・ガスの補助の打ち切りで家計への負担は増すばかりです。

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