「生活防衛費」は世帯ごとにいくら必要なの?
万が一の失業や病気、自然災害など、思いがけないトラブルが起きたとき、あなたはどれくらいの間、安心して生活を続けられるでしょうか? そんな時のために、生活防衛費という「もしもの備え」が大切です。生活防衛費は、いわば家計の非常時用貯金。この資金を用意しておけば、不測の事態にも慌てずに対応できます。今回は、世帯ごとに生活防衛費がどのくらい必要なのかご紹介します。
総務省が公表している「家計調査報告(家計収支編)」によると、「二人以上の世帯」と「単身世帯」を合わせた「総世帯」の1カ月の平均支出は約25万円。総世帯の平均世帯人員2.20人、世帯主の平均年齢59.5歳です。
このうち、「二人以上の世帯」の平均支出は約29万円、「単身世帯」の平均支出は約17万円です。
それぞれの世帯の生活防衛費の目安となる金額は次のとおりです。
【二人以上世帯】
・3~6カ月:87万~174万円
・6カ月~1年:174万~348万円
【単身世帯】
・3~6カ月:51万~102万円
・6カ月~1年:102万~204万円
二人以上世帯の生活防衛費は1年分だと300万円以上になります。「えっ、こんなに?」と思った方も多いかもしれません。上記の二人以上世帯の平均世帯人員は2.90人です。夫婦と子ども1人という世帯が多いと思いますが、家族が増えるとそれに伴い教育費などの支出も増えます。世帯構成に応じた金額を見積もることが大切です。
とはいえ、共働き夫婦であれば、ともに失業するということは稀です。たとえ夫が失業しても、妻に収入がある場合もあるでしょう。家庭の事情を含め、生活防衛費の準備額を決めるとよいでしょう。
一方、単身世帯であれば、二人以上世帯に比べ準備する資金も少なく、収入の全てを自分のために使えることもあり、効率よく資金を貯めることが可能です。しかし、自由度が高い分、万が一の場合よりも、自分の好きなことにお金を使ってしまいがちな面もあります。まだお金が貯まっていない人は、毎月少額でも自動積立てを設定して、緊急時用の資金を着実に確保するようにしましょう。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))
生活防衛費とは何か?
生活防衛費とは、突然の失業や病気、自然災害など、予測できないトラブルが発生したときに備えるための緊急資金です。この費用は、収入が一時的に途絶えた際の生活費を支えるもので、家計の安全網といえるでしょう。生活防衛費の目安は「生活費の3カ月~1年分」、世帯ごとにいくら必要?
生活防衛費の目安は「生活費の3カ月から6カ月分」が一般的とされていますが、人によっては「もう少し多い方が安心」と感じる人もいます。その場合、1年分貯めてみましょう。世帯の人数やライフスタイル、個人の備えに対する意識によって適切な金額は異なります。以下で、二人以上世帯と単身世帯、それぞれどのくらいが目安になるのかみてみましょう。総務省が公表している「家計調査報告(家計収支編)」によると、「二人以上の世帯」と「単身世帯」を合わせた「総世帯」の1カ月の平均支出は約25万円。総世帯の平均世帯人員2.20人、世帯主の平均年齢59.5歳です。
このうち、「二人以上の世帯」の平均支出は約29万円、「単身世帯」の平均支出は約17万円です。
それぞれの世帯の生活防衛費の目安となる金額は次のとおりです。
【二人以上世帯】
・3~6カ月:87万~174万円
・6カ月~1年:174万~348万円
【単身世帯】
・3~6カ月:51万~102万円
・6カ月~1年:102万~204万円
二人以上世帯の生活防衛費は1年分だと300万円以上になります。「えっ、こんなに?」と思った方も多いかもしれません。上記の二人以上世帯の平均世帯人員は2.90人です。夫婦と子ども1人という世帯が多いと思いますが、家族が増えるとそれに伴い教育費などの支出も増えます。世帯構成に応じた金額を見積もることが大切です。
とはいえ、共働き夫婦であれば、ともに失業するということは稀です。たとえ夫が失業しても、妻に収入がある場合もあるでしょう。家庭の事情を含め、生活防衛費の準備額を決めるとよいでしょう。
一方、単身世帯であれば、二人以上世帯に比べ準備する資金も少なく、収入の全てを自分のために使えることもあり、効率よく資金を貯めることが可能です。しかし、自由度が高い分、万が一の場合よりも、自分の好きなことにお金を使ってしまいがちな面もあります。まだお金が貯まっていない人は、毎月少額でも自動積立てを設定して、緊急時用の資金を着実に確保するようにしましょう。
まとめ
生活防衛費の必要額は、世帯の人数やライフステージによって大きく変わります。万が一の事態に備えるため、自分の状況に応じた適切な額を設定し、余裕を持った生活防衛費を準備することが、将来の安心につながります。文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))
11/11 19:30
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