【2024年】11月の株式市場の傾向は?

11月は10月に続いて、3月決算企業の中間決算が本格化する月です。個別銘柄の株価は、各企業の決算発表を反映して、動きやすくなる月だといえるでしょう。今回は、11月相場がどのような傾向があるのかについて、過去のデータを用いて検証しました。

個別銘柄の株価が動きやすくなる11月相場、その実態は?

11月は10月に続いて、3月決算企業の中間決算が本格化する月です。個別銘柄の株価は、各企業の決算発表を反映して、動きやすくなる月だといえるでしょう。

そこで今回は、11月相場がどのような傾向があるのかについて、過去のデータを用いて検証してみました。

■検証対象:全銘柄
■検証期間:2000年1月1日~2024年9月30日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:10月末の寄り付きで買い
■売り条件:25日経過後の翌営業日寄り付きで売り

10月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について、検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、11月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、11月は下がりやすい月といえます。

以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。

11月の株式市場の検証結果

システムトレードの達人


勝率:48.28%
勝ち数:40,227回
負け数:43,094回
引き分け数:1,944回

平均損益(円):-237円
平均損益(率):-0.12%

平均利益(円):15,776円
平均利益(率):7.89%

平均損失(円):-15,196円
平均損失(率):-7.60%

合計損益(円):-20,249,491円
合計損益(率):-10,125.36%

合計利益(円):634,610,477円
合計利益(率):317,314.92%

合計損失(円):-654,859,968円
合計損失(率):-327,440.27%

PF(プロフィット・ファクター):0.969
平均保持日数:24.14日

検証結果を見てみると、勝率は48.28%、平均損益(率)は-0.12%です。勝率が50%を下回り、「平均損益(率)」がマイナスになっていることから、11月は下落しやすい月といえます。

損益の推移を見ると、ここ数年は上昇傾向であったと確認できます。しかし、安易なトレードを行うと不用意にリスクを被ってしまう可能性があることから、11月にトレードを行う場合は、慎重に銘柄を選択する必要があるでしょう。

11月は、10月に続き3月決算企業の中間決算が本格化する月です。日本企業は決算内容を保守的に見積もることが多く、決算発表後は決算内容に対しての失望売りが出やすい傾向があります。

個別銘柄の株価は決算発表を受けて、大きく乱高下するリスクがあることから、11月相場は様子見ムードになる可能性が高いでしょう。買いを控える投資家が多く、出来高が少なくなることで売りが出やすくなることから、株価は軟調に推移する傾向もあるといえます。

次は、勝率が50%を下回る11月相場でも、例年成績が好調な銘柄を確認してみましょう。

11月の好調銘柄ランキング

システムトレードの達人


表は、先ほどの検証結果において、勝率が高かった個別銘柄のランキングです。

ランキング上位の銘柄を見ると、「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>」「TOPIXブル2倍上場投信<1568>」といった銘柄が好調のようです。

株価が乱高下することが予想される11月の株式市場でも、例年成績が好調な銘柄に注視することで、下落リスクを抑えられるでしょう。11月の投資戦略を考える上で、上記のような銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。

(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)

文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)

国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
(文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー))

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