61歳・早期リタイア男性「年金生活には余裕をもって4000万円あるといい」老後資金の蓄え方

どんなに貯めても不安が尽きない老後資金。実際、年金生活でどれくらいお金が必要なのか。いくら貯蓄があれば安心して老後を迎えられるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から神奈川県在住61歳男性のケースを紹介します。

相次ぐ物価上昇で「もはや老後資金は2000万円では済まないのでは」と、不安が増す昨今。ただ、「現役時代にもっと貯蓄すべきだった」と嘆く人がいる一方で、「元気なうちにお金を使うべきだった」と悔やむ人がいるのも事実です。

実際、年金生活でどれくらいお金が必要なのか。いくら貯蓄があれば安心して老後を迎えられるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、神奈川県在住61歳男性のケースをご紹介します。

回答者プロフィール

回答者本人:61歳男性
同居家族構成:本人、妻(57歳)
居住地:神奈川県
現在の雇用形態:派遣・契約社員
現在の年収:300万円
現在の金融資産:預貯金1000万円、リスク資産3000万円
現役時代に加入していた公的年金の種類と加入年数:厚生年金37年

現在の収支(月額)

老齢基礎年金(国民年金):なし(受給前)
老齢厚生年金(厚生年金):なし(受給前)
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):企業年金200万円(年額)、個人年金50万円(年額)

年金以外の収入:給与収入170万円(年額)

配偶者の年金や収入:給与収入70万円(年額)

ひと月の支出:約35万円

「倹約家の妻のおかげで蓄えができた」

現在、およそ預貯金1000万円、リスク資産3000万円を保有しているという今回の投稿者。

自身の老後資金について貯めすぎと感じているか、それとも足りないと感じているか、との質問には「ちょうどいい」と回答。

その理由として、「60歳を過ぎ、身の丈にあった生活をすれば、年金と蓄えでやりくりできるように感じています」と語っています。

「現役時代にしっかり働き、奥さんも倹約家であったため、57歳で役職定年を迎えるときに、もう会社にしがみつかなくてもなんとかなると思えるようになりました。少し心のゆとりをもって、自分のセカンドライフを考えられ、早期退職を選び、今は残業をすることもなく心穏やかに生活できている」とあります。

「老後資金は余裕をもって4000万円」

現役時代は、老後資金として「5000万円」貯めることを目標にしていたそう。

「奥さんは4歳下なので、私が他界してから10年程度の一人暮らしを想定し、子ども達への負担もかからないよう、2000万円は奥さんに残るように考えました」と投稿者。

ただし「この2000万円は早期に終身死亡保険を購入し見通しを立てました」とすでに保険として確保している様子です。

残りの3000万円は老後の生活費。「当時60歳を過ぎた両親の生活費が20万~25万円でした。年金が200万円と想定すると(ゆとりをもった)年間の不足分150万円。150万円×20年=3000万円」とその内訳を説明します。

しかしリタイア後の今、老後の生活費は「4000万円」必要と感じているとのこと。

「今思うに、3000万円は主に生活費に充てるものです。さらに住宅修繕などに500万円、介護関連に500万円の余裕はもった方が望ましいと感じ、計4000万円」と試算されています。

「身の丈に合った生活を維持する」

今の生活については「非常に満足している」と投稿者。

「安定した収入があり、身の丈に合った生活であれば、あまり困らないと感じる。また、(現役時代に比べて)健康的な生活を送れている。間違いなく体調は良くなっている」とその理由を語ります。

「現役時代の仕事は本当にきつかったし、精神的にもぎりぎりだった」と振り返り、「健康はもっとも重要な資産」だと身をもって感じているといいます。

老後に不安を抱えている現役世代には、「若いときは給料が少ないですが、その時に少ないお金で生活するスタイルを身につけ、それを維持する意識をもてると良い」とアドバイス。

「支出を抑えて、貯金が基本。貯金=分散投資が今の時代に合っていると思います。そして、副業でも良いですが、自分を高く売る力をつけられればよりよいと思います」とメッセージを残されていました。

※本文カッコ内の回答者コメントは原文に準拠しています
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(文:あるじゃん 編集部)

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