時給制と出来高制、どっちが得?

先日、読者の方より「時給で働くか、出来高制で働くか迷っています」という質問をいただきました。そこで本記事では、自分に合った報酬形態を考える際に、筆者が特に重要だと考える判断基準を3つ解説します。

先日、読者の方よりこんな質問をいただきました。

「時給で働くか、出来高制で働くか迷っています。出来高だと、仕事が進まないとき収入が低くなる可能性があるので、時給で働いたほうがいいのか……?」(20代)

時給制で働くか、出来高制で働くか、あるいはその中間か。どんな働き方にしても長所・短所があります。そこで本記事では、自分に合った報酬形態を考える際に、筆者が特に重要だと考える判断基準について解説します。

報酬形態には「時給制」「出来高制」「ハイブリッド型」の大きく分けて3つのタイプがあります。判断基準について話す前に、まずはそれぞれメリットとデメリットを紹介します。

時給制のメリット・デメリット

1つ目が「時給制」で、働いた時間に対して固定で給料が支払われる形態です。アルバイトや、一部の会社員などがこのタイプに該当します。

時給制の良い点は、「仕事が会社の利益に直結しなくても生活が支えられる」ことです。

たとえば、製薬会社ではこの仕組みがうまく機能しています。製薬には多大な研究開発が必要で、成果に「ムラ」が出やすいです。順調に進む場合もあれば、何年も成果が出ずキツイ時期もあるでしょう。

このような分野で「成果報酬」だと生活が安定しません。時給制や固定給が不可欠と考えられます。

出来高制のメリット・デメリット

2つ目が「出来高制」で、成果と連動して給料が支払われる形態です。営業職などでよく見られる報酬形態です。

出来高制の魅力は、「成果を出せば出しただけ収入が増える」点です。公正な報酬制度を導入している企業であれば、若いうちから貯蓄を増やし、40代で経済的自由を手に入れることも可能です。

出来高制にもさまざまな種類があり、「自分が成果を出したら報酬が得られる」場合と、「会社が成功したら報酬がある(株式報酬など)」場合があります。成功が見込まれる会社であれば、株式報酬は非常に魅力的です。

よくあるのがハイブリッド型

3つ目が「ハイブリッド型」で、固定給を受け取りつつ、会社が成果を認めた際には追加で成果報酬が支払われるものです。

日本企業では「成果給はボーナスで支払う」という形態が多いでしょう。

適切な報酬形態は人それぞれ

ここまでお読みいただくと分かる通り、「時給制が良いか」「出来高制が良いか」は働き方によって一概に言えません。

適切な報酬形態を考えるときには、以下の3点を吟味するのが良いと思います。

・どんな職種で働くか
・どのような生活・家庭環境か
・自分の性格や能力はどんな適性があるか

まずはご自身がどのような職種で働きたいかを考えるべきでしょう。

先にも書いたとおり、成果に「ムラ」が出やすいなど、希望する職種によっては「成果報酬」が自殺行為になる場合がありますから、固定給のある所で働いてリスクヘッジしたいところです。

次に考えることは質問者さまの生活や家庭環境です。

質問者さまが20代で、まだ結婚しておらず子どももいない場合、小さなベンチャー企業で多忙な日々を過ごしながら挑戦するのも1つの方法です。一方、すでに結婚して子どもが3人おり、最低限の生活費を稼がなければならないなどの場合は、リスクの低い選択肢を優先するべきかもしれません。

さいごに、自身の性格や能力の適性も重要な判断材料です。

自分で稼ぐ力があるなら、高い固定給の会社に勤めることもできますし、出来高制の会社で「稼ぎたいだけ稼いで、あとはゆっくりする」という生き方もできます。逆に、稼ぐ力がまだないなら、まずは時給制の職業に就き、働きながら自分のスキルを磨き、生産性を高めていくというキャリアパスもあります。

まとめ

勤め先を選ぶことは人生の中でも「大きな決断」です。

自分にとって最も適した報酬形態を選ぶだけでなく、情熱を持って取り組める働き方を見つけ、さらにいまの家庭事情に適した働き方の中から、自分の能力を存分に活かす方法がないか考えてみてください。

文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)

18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。
(文:中原 良太(個人投資家・トレーダー))

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