富士通、ラピダスに出資へ=AI向け、先端半導体調達

記者会見後、撮影に応じるラピダスの小池淳義社長(中央右)とセイコーエプソンの小川恭範社長(同左)ら=3日午後、北海道千歳市



次世代半導体の国産化を目指すラピダス(東京)に対し、富士通が出資する方向で調整していることが3日、分かった。富士通が力を入れている人工知能(AI)関連技術に必要な先端半導体を安定的に調達する狙いがあるとみられる。出資額などは今後詰める。
ラピダスは北海道千歳市に工場を建設中で、2027年の量産開始を目標としている。総額1000億円規模を民間企業から調達し、運転資金や設備投資に充てたい考えだ。
富士通はこれまでラピダスに出資していない。既存株主ではソニーグループやキオクシアなどが追加出資に応じる方針。金融機関も三菱UFJ銀行、三井住友銀行とみずほ銀行、日本政策投資銀行が計最大250億円の出資を検討している。
ラピダスは3日、千歳市にあるセイコーエプソンの事業所に、半導体を最終製品に仕上げる「後工程」の研究開発拠点を新設すると発表した。床面積約9000平方メートルのクリーンルームを造り、26年4月から稼働させる。ラピダスの小池淳義社長は同市で開いた記者会見で、資金調達に関し「詳しいことは説明できない」としつつ、「十分な民間資金を集める方向性に変わりない」と強調した。


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