ヤマトグループが商用車ユーザーの脱炭素化を支援! ワンストップサービス開始

EVを扱った経験がない事業者でも円滑にEVを導入・運用可能に

ヤマトHDと芙蓉総合リースによる記者会見

ヤマトHDと芙蓉総合リースによる記者会見

 ヤマトホールディングス(HD)は10月1日、商用車ユーザーの脱炭素化を支援する「EVライフサイクルサービス」を、傘下のヤマトオートワークスが同日始めたと発表した。法人向けリース・ファイナンスサービスの提供などを行う芙蓉総合リースとの連携事業で、国土交通省で同日、同社とともに記者会見を開いた。

 ヤマトオートワークスは、グループ中核のヤマト運輸の車両整備などを担っている企業。ヤマトグループは、電気自動車(EV)導入や太陽光発電設備の導入などを進めており、2011年からはラストマイルの集配車両のEV化を開始し、約2300台のEVを保有していると言う。また、太陽光発電設備105基の設置や再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の調達、エネルギーマネジメントシステムの開発などを推進しており、そのノウハウを生かして、他社の脱炭素化を支援するコンサルティング事業を展開することになった。

「EVライフサイクルサービス」は、温室効果ガス(以下「GHG」)削減計画の立案から、EV・充電器の導入・運用支援、メンテナンス、エネルギーマネジメント、再エネ供給までワンストップで提供。EVを扱った経験がない事業者でも円滑にEVを導入・運用できるだけでなく、バッテリーの価値を考慮した残価設定や補助金の活用などにより、脱炭素と経済性の両立を実現するという。

 サービスの内容は次の通り。

(1)GHG削減計画の立案
商用車を使用する事業者の脱炭素目標達成に向け、EV導入や再エネの活用など、最適なGHG削減計画を立案

(2)EV・充電器の導入・運用支援
商用車リースに知見を持つ芙蓉総合リース傘下のヤマトリースと連携し、EV・充電器のリース提供と各種補助金の活用を支援。また、導入台数に応じた最適な充電器の設置レイアウトを提案

(3)EV・充電器の点検、メンテナンス
ヤマトオートワークスの全国72の整備拠点において、事業者のEV稼働を止めることなく、車両の法定点検、メンテナンス、充電器の定期点検を実施

(4)エネルギーマネジメントシステムの提供
ヤマトグループが開発したエネルギーマネジメントシステムを用いて、電力使用量の可視化や充電による待機時間の削減、電力使用ピークの緩和、太陽光発電設備・蓄電池との連動を支援

(5)再エネの供給
ヤマトグループが保有する太陽光発電設備由来の電力を含む、再エネを供給

(6)EV入れ替え・廃棄
車両の再販やバッテリーリサイクルに対応

 なお本サービスの開始背景についてヤマトオートワークスは、気候変動の緩和に向けて世界的に取り組みが進むなか、日本においても、2050年カーボンニュートラル達成に向け、あらゆる業界においてさまざまな脱炭素の取り組みが拡大。商用車を使用する事業者においては、EVの活用が重要な取り組みの一つとなっているが、EVは内燃車よりも検討事項が多岐にわたるため、脱炭素化が進んでいない現状があるとしている。

 記者会見に出席したヤマトオートワークスの金井宏芳社長は「2026年までに、事業者が3000台のEVを導入することを目標にしたい。EV車両や充電器の導入から再エネ供給まで、ワンストップで提供していく」と意気込みを語った。

 提供車両については、軽バンタイプのEVから取り扱うとしており、今後は新たな車種・車格の拡大やバッテリーのリサイクル、交換式バッテリー対応EVの取り扱いなど、日本全体の脱炭素化に向けて取り組みを推進していくという。

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