いよいよ帰省ラッシュ! 一人前のドライバーとは、渋滞時の「後続車」に配慮できる人間である

後続車への配慮が鍵

後続車のイメージ(画像:写真AC)

後続車のイメージ(画像:写真AC)

 車を運転する際には、さまざまな要素に注意を払う必要がある。まず第一に、自身の安全を確保すること。そして、周囲の車や交通の安全も同様に重要だ。さらに、自分の車と周囲の車のスムーズな動きも確保することが肝要だ。

 スムーズな流れを維持するためには、車の周囲の動きを意識することが不可欠だ。スピードを無理に上げることは危険だが、周囲の車との流れを調整することで、交通全体の流れを改善できる。また、交通の流れは前方だけでなく、後方の車にも影響を与える。

 皆さんは、後続車のことを考えて運転しているだろうか。自分の車と周囲の車の安全を確保するだけでなく、後続車の動きにも気を配ることが望ましい。

 しかし、街中や高速道路では、後続車をあまり意識していないドライバーが多く見受けられる。運転においては、広い視野と範囲を持つことが重要であり、後続車の存在も忘れてはならない。

 今回は、この重要な点について詳しく解説する。特に、ゴールデンウィーク(GW)の帰省時には、このことを思い出していただきたい。

車間距離の重要性

高速道路(画像:写真AC)

高速道路(画像:写真AC)

 後続車を意識せずに運転するとどうなるか。単純に車の流れが悪くなる。車の流れが悪くなると、必然的に車間距離が狭くなり、交通量によっては渋滞を引き起こす可能性がある。

 断片的に見たら、車の流れがわずかに遅くなっているだけかもしれないが、これが重なり合っていくと、車が詰まって渋滞が発生することにつながる。渋滞の原因は交通集中だけでなく、車の流れが徐々に遅くなることも影響する。

 近年、車社会の日本では渋滞がますます深刻な問題になっている。渋滞は避けられないことも多いだが、できるだけ渋滞を引き起こさない、または拡大させない運転を心掛けることが重要だ。

 一般道を走行する際には、まず前の車との車間距離に注意することが大切だ。一般道では、走行速度から15mを引いた距離を確保するのが望ましい。例えば、時速40kmで走っている場合、車間距離は25mが適切である。

 車間距離が狭すぎると、前の車が急に動いた際に反応できずに衝突する危険性がある。逆に車間距離が広すぎると、交通の流れが悪化し、後続車が立ち往生することがある。

 また、信号待ちから交差点に進入する際には、前の車との車間距離を過度に空けることがある。その結果、後続車が信号が変わる前に交差点手前で立ち往生することがある。これは後続車にとって迷惑なことであり、渋滞の原因にもなる。

 車間距離を詰めすぎることで、さまざまな問題が生じる可能性がある。何事も「ほどほど」が大切である。

GW渋滞への対策

後続車のイメージ(画像:写真AC)

後続車のイメージ(画像:写真AC)

 高速道路は原則としてノンストップだが、ドライバーは一般道と同様に後続車に配慮する必要がある。むしろ高速道路では、一般道よりも渋滞によるタイムロスが大きくなりがちなので、後続車のことをより考慮する必要がある。

 高速道路は見かけによらず、実際にはアップダウンがある。この起伏が渋滞の原因になりやすいのだ。特に「サグ」と呼ばれる下り坂から上り坂に変わるポイントでは、下り坂で保っていた速度が知らぬうちに上り坂で低下するため、車の流れが悪化し、渋滞が発生することがよくある。実際、高速道路の渋滞の約7割は上り坂とサグが原因だといわれている。

 近年では、ドライバーに渋滞ポイントを知らせる看板とともに、「速度回復にご協力を」という看板も設置されている。上り坂に差し掛かったら、急激な速度低下に気を付け、適切な速度で運転するように心掛けよう。

 GWが近づいている。GWには多くの人々が車で移動するため、各地で大規模な渋滞が発生する。渋滞はある程度仕方がないが、この機会には後続車を意識した運転を心掛けてほしい。意識した運転を実践することで、渋滞を少しでも軽減できる。

 1台の運転者の実践は小さくても、10台、100台となればその影響は大きくなる。このような小さな配慮が、GWの交通事情を少しでも改善する手助けになるだろう。みんなで協力して、よりよい環境を作っていこう。

 一人前のドライバーとは、渋滞時の「後続車」に配慮できる人間である。

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