離乳食論争のリアル 「手作り派vsベビーフード派」それぞれの主張

答えはどこにある?(イメージ。Getty Images)

 育児にまつわる論争は事欠かない。近年ではネット上がその主戦場になることが多く、これまでも「ベビーカー論争」や「母乳育児論争」など、数々の戦いが繰り返されてきた。9月にはタレント・加藤紗里のインスタグラム上の発言から火がついた「離乳食論争」というものも注目を集めた。いったいどんな論争なのか、フリーライターの吉田みく氏が両陣営のママに話を聞いた。

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 子育てママの間で時折議論される、離乳食手作り派と市販のベビーフード派の争い。最近では、5か月の愛娘を育児中のタレント・加藤紗里さんが「作るわけない」と、ベビーフードを活用していることをインスタグラムで発信し、ネット上で話題となった。

 当事者である子育てママはどう考えるのか。離乳食手作り派とベビーフード派のママたちに、それぞれの意見を聞いてみた。

◆ベビーフードは“負けた気がする”

「私は離乳食を通じて、親子のコミュニケーションを取っていますよ」

 そう語るのは、神奈川県在住の専業主婦、小林優さん(仮名・26歳)。ベビーフードに頼らず、1から離乳食を作っているそうだ。現在子供は9か月。1日に3回、離乳食を食べさせている。

 大学で栄養学を専攻した小林さんは、そこで「食育」の大切さを知ったという。

「自分の手で食材を選び、わが子の発達に合わせて調理をする。決して楽なことではないですが、将来的に実を結ぶと思っています」

 しかし離乳食作りは想像以上に時間がかかるそうで、時には夫の夕食作りに手が回らないこともあるそうだ。

「仕事を終えた夫に食事を用意できなかった時は、申し訳ないと思っています。でも夫なら自分でご飯の用意はできますよね? 赤ちゃんの食事は、私が用意するしかないですから」

 3回食になったこともあり、以前よりも離乳食作りに時間がかかっているとのこと。夫からはベビーフードを活用することを打診されたそうだが、“母親として負けた気がするから”という理由で拒否しているそうだ。

「ベビーフードって1袋100円くらいするんです。それを3食分ですからね、相当な出費です。その支出を良しとするなら、母親として頑張っている私に対してご褒美プレゼントを買ってほしいですね」

 これからもベビーフードに頼らず、離乳食作りを頑張っていくと、小林さんは決意表明をしていた。

◆自営ママに育休はない

 一方、ベビーフードに助けられていると語るママもいる。

 東京都在住のサロン経営、長瀬愛さん(仮名・33歳)は、離乳食初期から幼児食へ移行するまで、ベビーフードだけを食べさせて育児をしてきた。現在子供は1歳2か月。1か月前にベビーフードを卒業し、最近は味付けを薄くした食事を取り分けして与えているそうだ。

「私自身が会社経営をしていることもあり、育休を取得するという概念がありませんでした。常に、できるだけ手間をかけずに育児ができるかを考えながら子育てをしています」

 日中は保育園へ行っているため、自宅で食事をするのは朝と夕の2回。ベビー用品店で時折行われる「ベビーフードまとめ買いセール」では、1回に100袋以上のベビーフードを買い溜めしていたそうだ。

「100袋って聞くと多い印象を受けるかもしれませんが、ご飯におかずで1食2袋くらいなくなっちゃうんですよ」

 ベビーフードは1袋100円程度。長瀬家の場合は1日に4袋消費する計算だ。1か月にすると1万2000円を超える出費となり、決して安い金額ではない。

「私も高いと思います。でも限られた期間であるということと、成長に影響はないと思うので使用していました」

 ベビーフードを販売している会社それぞれが、月齢に合わせた栄養バランスで商品を開発している。味の濃さやカロリーを気にする声もあるようだが、専門家によると毎日でも問題はないそうだ。

 子育てママたちの中では定期的に話題に上がる離乳食問題。正解があるわけではないだけに、議論はヒートアップする傾向にあるようだ。

 家族が笑顔になれるのは、手作り離乳食なのかベビーフードなのか。自分の家庭がどちら寄りなのかを考えて、日常生活に取り入れていくのが唯一の解答かもしれない。

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