カワサキ「シェルパ」や“あのマシン”も復活!オフロードバイクの復権が始まる!?
最近はトレール車と呼ばれるモデルがホンダの「CRF250L」だけになっていたオフロードバイクに期待のモデルが続々と登場します。カワサキの「KLX230」シリーズが復活し、合計4モデルのラインナップに。隠し玉の「KLX230 SHERPA(シェルパ)」の発売もアナウンスされました。
また、スズキからは「DR-Z4S」「DR-Z4SM」が登場。かつて国産の公道向けオフロードマシンでは最速と言われていた「DR-Z400」「DR-Z400SM」を現代的なスペックで復活させたモデルで、こちらも期待が高まります。
■「シェルパ」復活で盛り上がる「KLX230」シリーズ
「KLX230」は2022年モデルを最後に国内ラインナップからは外れていたモデル。空冷単気筒エンジンや正立タイプのフロントフォークなど基本的な車体構成には変更がないまま排出ガス規制に対応しています。
▲「KLX230」スタンダードモデルの「KLX230」に加えて「KLX230 S」「KLX230 SM」、そして「KLX230 SHERPA」がラインナップされました。
▲「KLX230 S」「KLX230 S」はシートの厚みと前後サスペンションのストロークを見直すことによって、シート高をスタンダードから35mm低い845mmに。足付き性が向上しているので、オフロード初心者や小柄な人でも馴染みやすい特性に仕上がっています。
▲「KLX230 SM」「KLX230 SM」は、前後17インチのホイールにオンロード向けタイヤを履いたスーパーモト(モタード)マシン。フロントフォークが倒立タイプとされていて、フロントまわりの剛性もアップしています。
そして事前には予想されていなかった「KLX230 SHERPA」の登場は、オフロードファンにはうれしいニュースでした。
▲「KLX230 SHERPA」
「シェルパ」の名は、1997〜2007年に販売されていたツーリング向けのオフロードモデル「スーパーシェルパ」から引き継がれたものです。
「KLX230」シリーズの特徴は、扱いやすい空冷エンジンとコンパクトで足付き性の良い車体ですが、その特性は「シェルパ」のコンセプトと相性が良いと感じているので、この復活には期待が高まります。足付きが良くてツーリングにも使えるオフロードマシンという、ヤマハ「セロー」の抜けた穴を埋める存在になってくれるかもしれません。
エンジンのスペックはシリーズ共通で、18PSの最高出力と19Nmの最大トルクを発揮。単気筒のコンパクトな車体と133kg(スタンダードモデル)という軽さを活かしてオフロードを楽しむことができそうです。
価格は「KLX230」「KLX230 S」が59万4000円、「KLX230 SM」が61万6000円、「KLX230 SHERPA」が63万8000円で11月27日発売予定です。
■パワフルな400ccエンジン搭載の「DR-Z4S/SM」
国内販売のアナウンスはまだですが、EICMA(ミラノショー)の舞台で発表されたのがスズキの「DR-Z4S」と「DR-Z4SM」です。
▲「DR-Z4S」400ccの水冷単気筒エンジンを搭載し、ストロークの長い倒立式フロントフォークなど足回りの装備も充実。プロジェクタータイプのフロントライトを基調とするデザインも現代的で期待が高まります。
ベースとなっているのは2009年まで販売されていた「DR-Z400S」「DRZ-400SM」で、北米では継続販売されていたものをブラッシュアップしてグローバルモデルに生まれ変わりました。
排出ガス規制に対応させただけでなく、電子制御スロットルやトラクションコントロール機構を装備し、走行モードの切り替えにも対応。シート高は920mm(「DR-Z4」の海外仕様)とかなり高めですが、それだけ足回りの性能が高いともいえるので、本格的なオフロード走行が楽しめるマシンとなりそうです。
▲「DR-Z4SM」前後17インチホイールを装備した「SM」は、サスペンションのセッティングもオンロード向けとされている模様。かつての「DR-Z400SM」は“公道最速”とも言われたマシンなので、400ccのハイパワーエンジンとハイグリップタイヤの組み合わせを早く味わってみたいものです。
車重は151kg(DR-Z4の海外仕様)と400ccクラスとしては軽量で、オフロードでは強力な武器となりそう。
近年はオフロードを走れるマシンがアドベンチャー系に偏っていましたが、本格的なスペックのマシンが登場することで、国内のオフロード市場が活性化することは間違いないでしょう。
<取材・文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
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