スノーピークの新作角形バーナーはOD缶直結なのに専用鉄板を使えるってスゴイ!
【アウトドア銘品図鑑】
老舗キャンプメーカー「スノーピーク」のシングルバーナーといえば、わずか56gの「ギガパワーマイクロマックスウルトラライト」や、最大出力8500kcal/hを誇る「ギガパワーLIストーブ剛炎」、屋内外問わず使える「HOME & CAMPバーナー」、そしてIGTシリーズに組み込める「フラットバーナー」など個性派ぞろい。
そんな名だたる個性派モデルに負けない独創性で、デビュー直後より注目を浴びているのが2024年の新作「ギガパワーストーブ レクタ」(1万4300円)です。
一般的なバーナーは、火口が円を描くように並んでいるのですが、「ギガパワーストーブ レクタ」は直線的なH型! レクタという名前に偽りなしですが、その使い勝手はどうなんでしょう?
サンプルを取り寄せて調理してみました。
■超軽量ではないけれどその分、安定感あり
「ギガパワーストーブ レクタ」の本体重量は495g。同じくOD缶を用いる登山用バーナーでは100g前後、安定感のあるモノでも250g程度ですからかなり重く感じます。とはいえ片手で余裕で持てるし、バイクやクルマでのキャンプならそれほど気にならないでしょう。
▲収納サイズは156×82×H35mmOD缶は直径90mmなので、並べると幅はほぼ同じですが、奥行きがちょっと飛び出ちゃいます。
▲「ワッパークッカー」のナカゴにぴったり収まるのがいかにもスノーピーク! ▲ゴトクを開くと真ん中にイグナイターがあらわれる組み立てはギミック満載!
軽く持ち上げるようにしてゴトクを両側に開くと火口やイグナイターが見えるので、イグナイターを外側に開きます。メカメカした感じがたまりません。
燃料ツマミが付いた、いかにも混合管っぽいモノが見えるのにピクリとも動かず、これじゃあ燃料を取り付けられない…と裏側を見たら、ありました。ロック機構。
▲ロックリングを指にかけてロックを解除ロックリングを回しながら引き起こすと混合管を引き出せます。そして引き出して指を離すと同時にロックリングが回って、今度は混合管が勝手に畳まないようロックされました。
▲使用サイズは156×122×H121mm火力調節のツマミを開き、スノーピークのOD缶に装着したら完成。
パカッと開く様子はSOTOのブック型ストーブ「G-ストーブ」に似ていますが、あちらはガードがV型に開いても火口は丸く並んでいて「ギガパワーストーブ レクタ」とは別物です。
イグナイターのボタンはバーナー直下ではなく少し離れていて、火力調節のつまみは燃料缶のすぐそば。
この位置関係、見えにくかったりやけどしそうで不安だったりで初心者泣かせなんですが、バーナーと燃料缶との距離が結構離れていて指を添えやすいし、鍋を置いても目視しやすい。
着火もスムーズでこの操作性はうれしいですね。
■角型クッカーやホットサンドメーカーと相性よし
点火すると、青い炎が幅広のリボンのように立ち上がります。
▲出力2500kcal/h円錐形に立ち上がる炎よりも広く、鍋全体に素早く熱が届きそう。
▲φ120mmのアルミクッカー対応する鍋はφ230mm以下、容量4L以下。ダッチオーブンは使用できません。
φ120mmの丸い鍋に直線的な炎はどうなんだろうと思いましたがこのサイズだとしっかりカバーしてくれます。
スノーピークが「ワッパークッカー」や「トラメジーノ」のような幅のある調理器具でも効率よく熱を伝えるように設計した、というだけあり長方形のクッカーとはこれ以上無いくらい相性良し。
他社製だと写真のメスティン、飯盒、ホットサンドメーカーが該当します。
■専用鉄板で手軽にステーキを焼いてみた
「ギガパワーストーブ レクタ」のもうひとつのウリが、オプションに専用鉄板「ギガパワーストーブ レクタ グリドル」(6820円)があること。
通常、燃料缶に直結するシングルバーナーに鉄板を載せると、輻射熱で燃料缶が熱せられて危険だと言われています。
アルミのフライパンもいいけれど、じっくり熱を蓄える厚手の鉄板のほうが肉をおいしく焼けるのはご存じの通り。仕方がないので鉄板対応のガソリンツーバーナーや炭の準備をするのですが、火をつけるまでにまあまあ手がかかります。
一方、「ギガパワーストーブ レクタ」は点火が簡単ですぐに調理スタート。この差は大きい!
▲202×152×H15mm、ハンドル148×29×H10mm。重量1.3kgガスバーナーの手軽さと鉄板のポテンシャル、どちらもあきらめずにすむって最高。
蓄熱性の高い鋳鉄製だから、弱火でじっくり加熱するとふっくら焼き上がります。波形が生み出す香ばしい焼き目がついて見た目もイイ感じ。
ハンドルを取り付けるスリット2か所が低くなっていて、余分な脂がたまるのも大人キャンパー向きです。
▲「ギガパワーストーブ レクタ」のゴトクが入り込むくぼみ付き鉄板がどちら側にも滑り落ちないよう刻みをつけているのはさすが専用設計。
なお、専用鉄板を使えるからといって、似たサイズの鉄板やダッチオーブンが使えるわけではありません。
独創的なH型バーナーヘッドで幅広く熱を伝える「ギガパワーストーブ レクタ」。組み立てのメカっぽいギミック、鉄板を使える拡張性などたまらず触手が伸びちゃうプロダクトです。
>> スノーピーク
<取材・文/大森弘恵 撮影協力/スノーピーク>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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