食品の冷凍に関する正しい認知の拡大や、冷凍された食品が流通されやすい環境づくりなどをミッションに掲げているフローズンエコノミー協会。

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前身は2021年9月に設立したフローズンエコノミーラボで、参画企業の拡大に伴い、2022年5月に一般社団法人として新たな一歩を踏み出した。2022年11月29日・30日には冷凍品に関する課題や解決策などを、業種を超えて話し合うカンファレンスの開催を予定する。山口翔代表理事(パンフォーユー取締役)は「企業の規模や業種の垣根を越えてつながることができれば」と話す。山口代表に話を聞いた。

――昨年9月に「フローズンエコノミーラボ」を立ち上げ、今年5月に法人化に踏み切りました。その背景は

まず、フローズンエコノミーラボの設立の経緯から話すと、パンフォーユーで展開しているパンのサブスクリプションサービスを利用されている方から、「冷凍庫がいっぱいなので定期便をスキップしたい」という声があった。他の冷凍品に関わる会社に聞いても、同じように言われていた。いくら商品を送り出しても、冷凍庫のキャパそのものを増やさなければ流通しないと思い、家電のレンタルを行っているレンティオに協力してもらい、冷凍庫をお得に借りられるサービスを実施した。

その話をすると、冷凍庫の問題だけでなく、品質管理やネットでの販売方法など、各社とも同じようなことで悩んでいた。そこで、交流会や勉強会を通じて、互いの経験を共有できる場としてパンフォーユーが幹事企業という形で、フローズンエコノミーラボを立ち上げた。多くのメディアにも取り上げられ、50社ほどに参加してもらえた。

交流会や勉強会ならば以前のままで良かったが、会員が共同で事業を行うという話が増え始めていて、パンフォーユーの持ち物としては大きくなっていた。そのため、法人化することにした。他の強化との連携や、小売の強化など、加盟企業同士で相互に連携して取り組みたいと思う。

都市部だけでなく、地方でも冷凍品を扱う会社は増えている。地元からは愛されている商品だが、通販などのノウハウを持たないため、知られていな商品も少なくない。頑張っている商品を流通させたいと思っている人にオペレーションなどを提供し、冷凍と掛け合わせたサービスなどができればとも思うし、フードロスの削減にも役立つことを伝えたいと考えている。

――大手企業も正会員として参加しています。経緯は

味の素さんについては、前身のラボのときから一緒だった。異業種の業界参入も前向きに捉えられており、業界をもっと良くするために味の素さんで培ってきた衛生面や品質管理のノウハウなどを提供していただいた。非常に勉強になっており、パンフォーユーで提携している店舗にも情報を提供し、品質向上につなげている。一方、ネットでの流通はあまりやられていなかったので、我々で培ってきたノウハウを提供している。

前身のラボをきっかけに、新しい協業も生まれた。協会では企業の業種や規模の垣根なく交流し、新しい取り組みやビジネスにつなげて欲しいと思っている。

――冷凍食品の市場について

冷凍に関わる事業者は確実に増えている。コロナ以前から取り組んできた企業もあるが、異業種からの参入に加え、スーパーやコンビニでの冷食売り場の拡大などが見られる。一方で、冷凍庫は満杯の状態なので、これを解決しなければ伸ばしづらい状況にあるのでは。また、冷凍の食品への消費者のイメージがまだ良くない人も多くいる。調理の途中で食材を冷凍することでより美味しくなるものもあるが、それが知られていないということもある。

協会としても、2台目の冷凍庫レンタルや、マンションなどに冷凍品の保存ボックスを設置するなどで、家庭外に冷凍キャパを増やすことも重要だと考えている。

〈冷凍ならば美味しさを保ったまま世界中に商品を〉
フードロス削減へのアプローチとしても有効で、農林水産省にもバックアップしていただき、官民連携で取り組めればと思う。一歩一歩取り組みたいと思う。

――今後については

大手も中小企業も垣根なく、フラットに色々な企業が集えるような協会にできればと思う。また、以前10社合同のキャンペーンとして、クーポンつけて提案したところ、これをきっかけに他のサービスの認知も高まった。こうした取り組みもまた行いたい。

冷凍ならば美味しさを保ったまま世界中に商品を送り届けることができると考えている。冷凍の場合は送料が他よりも高くなってしまうが、その値段以上の価値を感じてもらえれば利用につながる。例えば、パンフォーユーパンを届ける時に、パン屋さんについてのメッセージカードを同封し、楽しんでもらえるようにしている。美味しさは当然、何らかの付加価値をつけられれば楽しんでもらえるのでは。

〈冷食日報2022年7月5日付〉