エナジー系飲料市場が活性化し、ラインアップが増えている。エナジードリンクとしては、「レッドブル」と「モンスターエナジー」の2大ブランドが高いシェアを占めるが、最近ではイオン、西友、マツモトキヨシなどのPB(プライベートブランド)製品も増え、各業態でファンを獲得している。

そのような中、今年7月にコカ・コーラシステムが投入した「コカ・コーラエナジー」は、発売からわずか5週間で2000万本を突破した。コカ・コーラという巨大ブランドの力を背景に、これまでエナジードリンクを飲んでいない新規飲用者を獲得できたことが大きい。

日本コカ・コーラ社はエナジー系飲料のさらなる成長に向け、市場をタイプ別に分類して考察。その結果、18年度販売額は、飲み切りタイプの「栄養炭酸」は、対前年3.7%減、PET中心の「エナジー炭酸」は12.9%増、いわゆる「エナジードリンク」は16.4%増だったという。

「コカ・コーラシステムにおけるエナジーカテゴリーポートフォリオ」

同社マーケティング本部炭酸&エナジーカテゴリーの島岡芳和バイスプレジデントは、「生活者の方は、気持ちや体の状態に応じて(エナジー系の飲料を)飲み分けている。その中で最も大きな伸び率である“エナジードリンク”の主要な飲用者は、20~40代の男性で約65%を占め、特に昨年は30~40代男性が増えたことから、その世代に向けた活動が重要になる。ユーザーの方は潜在的に、効果の持続性と容量に対して不満を持たれていると考え、新製品を提案する」と話す。

「エナジー市場サブセグメント別成長率(金額ベース)」(日本コカ・コーラ資料)

「エナジー市場サブセグメント別成長率(金額ベース)」(日本コカ・コーラ資料)

 そこで同社は「リアルゴールド ドラゴンブースト」(250ml缶、185円税別)を10月7日から発売する。既存のエナジードリンク成分に加え、東洋の考え方を融合した製品で、漢方薬局の薬日本堂の協力で選んだ、高麗人参や霊芝など、6種の東洋素材を配合した点が特徴。島岡さんは、「内側からのパワーを持続させ、ブーストさせることをコンセプトにした」とする。「コカ・コーラエナジー」とともに2品体制で、“エナジードリンク”での確固たるポジションを築く考えだ。
 
一方、アサヒ飲料が日本国内において製造・販売している「モンスターエナジー」ブランドは、1-7月累計実績が約30%増と伸長している。今年は、「パイプラインパンチ」(355ml缶)を4月に発売し、エナジードリンクノンユーザー(特に女性層)に向け、トロピカルフルーツ風味やピンク色のパッケージなど、新たな提案を行い、飲用文化を拡大。さらに、7月にコアユーザー向けに500mlボトル缶を通年発売し、定着化を図っている。また、昨年を上回る大規模なサンプリングを、47都道府県で450万人を対象に展開している。

「モンスターエナジー パイプラインパンチ」「モンスターエナジー ボトル缶500ml」

「モンスターエナジー パイプラインパンチ」「モンスターエナジー ボトル缶500ml」

また、アサヒ飲料は、「ドデカミン」ブランドも展開するが、「20-30代の肉体を酷使して働く方にしっかり届いている」(同社)という。今年は興味喚起を図り、7月に人気ゲームとコラボしたパッケージを展開。9月24日には、既存品よりアミノ酸を1.2倍配合し、ガラナフレーバーとはちみつを入れた濃厚な味わいの「『ドデカミン』禁断のエナジー」(500mlPET/140円税別)を発売する。

「『ドデカミン』禁断のエナジー」

「『ドデカミン』禁断のエナジー」(9月24日発売)

そして、日本が誇るエナジー系飲料の元祖といえば、大塚製薬の「オロナミンCドリンク」だろう。1965年に「炭酸栄養ドリンク」として誕生し、「元気ハツラツ」をキャッチコピーに、「元気」「感謝」をテーマに活動している。現在は、母の日など感謝の日に合わせた催事に加え、天気予報のフィラー広告や地域に密着したプロモーションを展開している。昨秋からは、デジタルと連動させた話題化に取り組んで生活者接点が拡大し、若年層からも支持を得た。今年1~8月累計実績は前年比5%増の671万箱と好調に推移している。

「オロナミンC」

「オロナミンCドリンク」

エナジー系飲料は、清涼飲料ならではのおいしさと、ユーザーの気持ちを高める要素で伸長が続く。市場拡大により定番品以外のブランドも売り上げを伸ばすチャンスがあり、売り場はますます盛り上がりそうだ。