「103万円の壁」引き上げ幅、国民民主と与党に溝 協議の焦点に

自民党税制調査会総会で発言する宮沢洋一税調会長(中央)。左は加藤勝信財務相、右は小野寺五典政調会長=2024年11月25日午後2時2分、東京・永田町の党本部、岩下毅撮影

 所得税がかかる年収の最低ライン「103万円」の引き上げ幅をめぐり、国民民主党と自民・公明両党の「攻防」に注目が集まっている。国民民主は最低賃金の上昇率を基準に178万円にすべきだと主張するが、与党側は引き上げ幅が小さくなる物価上昇率の採用を推す声が目立つ。税収減の額も左右されるだけに、協議は難航しそうだ。

 国民民主は、課税最低ラインが最後に引き上げられた1995年と比べて、最低賃金が1.73倍になったと主張。物価高で生活に必要な費用が上がっていることなどへの対応として、この数字を持ち出した。同党の古川元久税制調査会長は、20日に与党側と会談した際、「(最低賃金とは)違う考えがあれば、提案をいただければ」と求めた。

 これに対し、与党内では異論が出ていた。物価高への対応というなら、「物価上昇率で考えるのが筋」(与党税調幹部)との理屈からだ。

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