副業の割増賃金、連合が「現行制度の堅持」主張 厚労省研究会に反論

記者会見する連合の芳野友子会長=2024年11月21日午後4時10分、東京都千代田区、片田貴也撮影

 労働者が副業した場合に本業との労働時間を通算して法定外労働分の割増賃金を計算する現行制度について、労働組合の中央組織・連合は21日、「堅持すべきだ」とする見解を示した。厚生労働省の有識者研究会は、副業の促進に向けて労働時間を通算しない制度への見直しを提言しており、これに反論した形だ。

 連合はこの日、労働基準法の改正などを検討する有識者研究会が12日に示した報告書の骨子に対する考え方を公表した。

 1日8時間・週40時間の法定時間を超えた労働に対する割増賃金は、長時間労働を抑えるための制度。芳野友子会長は会見で「(副業先と)労働時間を通算して割増賃金を支払うのが連合の方針だ」と話した。

 厚労省の研究会は、副業や兼業時の割増賃金の支払いについて「健康確保のための労働時間の通算は維持しつつ、割増賃金の支払いでは通算を要しないよう制度改正に取り組むべきだ」と骨子に盛り込んだ。副業を活発化して起業の促進や人手不足の解消などにつなげる狙いがある。

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