小幅な利上げ「金融引き締めの効果ない」 日銀、7月会合議事要旨

会見する日銀の植田和男総裁=2024年7月31日午後3時57分、東京都中央区、川村直子撮影

 日本銀行は26日、追加利上げを決めた7月末の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。政策委員の多くが、小幅に利上げしても金利が低水準にとどまることから、経済への影響は少ないとの見解を表明。ある委員は「緩やかなペースの利上げは、(金融)緩和の度合いを調整するもので、引き締め効果をもたない」と主張した

 この会合で日銀は、短期金利の誘導目標を0~0.10%程度から0.25%程度に引き上げると決めた。議事要旨によると、日本経済が想定通りにあることに加え、急速な円安の進行で物価が上ぶれるリスクがあることから、利上げを支持する声が多く出ていた。

 複数の委員は、賃金と物価の好循環が進んでおり、利上げについて「緩やかな調整を実施することが適切」と述べた。その上で、何人かの委員は、物価が上ぶれる可能性を念頭に、「後になっての急速な利上げを避けるために、極めて低い金利水準を現段階から少しずつ調整していくことが適切だ」とした。

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