使用済み核燃料の中間貯蔵施設が実質稼働 柏崎刈羽再稼働を後押し

使用済み核燃料が搬入される中間貯蔵施設=2018年11月26日、青森県むつ市、朝日新聞社機から

 青森県むつ市にある使用済み核燃料の中間貯蔵施設が26日、実質的に動き出した。国が進める核燃料サイクルを支える施設の一つで、使用済み核燃料を運び出した東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)にとっても、再稼働の後押しになる。ただ、この施設はあくまで仮の置き場。次のステップである再処理工場の完成は見通せず、全国の原発では大量の使用済み核燃料が行き場を失っている。

 柏崎刈羽原発(全7基)には、貯蔵プールに使用済み核燃料が約1万4千体あり、貯蔵率は81%に達する。再稼働をめざす6、7号機では90%を超す。桜井雅浩・柏崎市長は再稼働の条件として、2基の貯蔵率をおおむね8割以下にすることを求めていた。同施設の稼働は、その条件をクリアする一助となる。青森県とむつ市は、受け入れた使用済み核燃料に対して新たな税を課し、28年度末までに少なくとも3億円超の税収を見込む。

 使用済み燃料の保管に悩むのは、ほかの電力会社も同じだ。経済産業省によると、全国の貯蔵率の平均は81%(今年3月末時点)。関西、九州、四国の各電力では計12基が再稼働しており、今後はさらに増える。どんどんたまってゆくのは、使用済み核燃料からプルトニウムやウランを取り出して、再び燃料として使う「核燃料サイクル」が動いていないからだ。

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