トマトいっぱい、和牛に地鶏も味わって!飛驒「旬の味」31店が提供

飛驒市産トマトを使う蕎麦正なかやの特別メニュー=2024年9月5日、岐阜県飛驒市古川町三之町、荻野好弘撮影

 野菜を中心に地元産の食材を生かした特別メニューを提供する「飛驒市まるごと食堂」が、岐阜県飛驒市内の飲食店などで開かれている。豊かな自然の恵みを料理でPRしようという市の企画。9月末まで31店舗が「旬の味」を提供する。

 「まるごと食堂」は2020年、大都市圏に出荷される野菜をもっと地元の人たちに食べてもらおうと始まった。市側が店と農家などをマッチングし、期間を限ったメニューを出す。

 5回目の今年は農家16軒の野菜だけでなく、飛驒牛や飛驒地鶏、アユといった特産物も材料に加わった。飲食店のほか、旅館、パン店、スーパーも参加する。参加が30店舗を超えたのは初めて。

 初回から参加している「蕎麦(そば)正なかや」(飛驒市古川町)では、トマトをふんだんに使ったそばを用意する。冷たいそばの上にスライスしたトマトと、赤や紫、黄色など数種類のミニトマトを盛り、自家製のトマトソースもかける。

 「常連さんに人気。(つゆの)かつおだしとトマトは合うんですよ」と店主の中家智規さん(61)。さっぱりとした味わいで、レモンもつけている。並盛り1100円(税込み)。中盛りや大盛りもある。

■輸送費高騰に悩む農家 販路拡大に期待

 飛驒市は県内有数の夏秋トマトの産地。「なかや」にトマトとミニトマトを提供するのは、池田農園(同市古川町)だ。昼と夜の寒暖差を利用して栽培し、多くを農協を通じて関西などに出荷。直売もしている。

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