札幌市が宿泊税案 年内に条例案提出へ 2026年度の導入めざす

札幌市の宿泊税の考え方を議会に説明する青山智則・観光・MICE担当局長(右から2人目)=27日、札幌市、日浦統撮影

 札幌市は27日、観光振興のために2026年4月からの導入を目指す「宿泊税の考え方」を市議会に示した。人口減に伴う税収減が見込まれることから、安定財源を確保するのがねらい。宿泊料金が5万円未満で200円、5万円以上で500円をホテルなど宿泊事業者が徴収する。パブリックコメントを経て、年内に条例案をまとめて議会に提出する方針。

 宿泊者のわかりやすさと事業者の事務負担を軽減するため、2段階制とする。年間27億5千万円を見込む税収は施設のバリアフリー化や多言語対応、キャッシュレス化、オーバーツーリズム対策などに充てる。徴収経費の一部は「報奨金」として事業者に交付する。一定料金以下は非課税の「免税点」は設けないが、修学旅行は課税免除とする。

 宿泊税を巡っては、北海道も同様の「考え方」を今月に示し、100~500円の3段階制で、約45億円の税収を見込む。札幌市に宿泊する場合、合わせて最低でも300円が課税される。

 市と道が別々に課税するため、使い道が重複する懸念があるが、市の担当者は「道とは調整を図っており、課税対象や免税点などは同様の考え方になっている」と説明した。(日浦統)

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