ダイハツ、3車種で基準適合性満たさず 国交省がリコール要求

ダイハツ工業の本社=2023年12月、大阪府池田市、朝日放送テレビヘリから

 ダイハツ工業の車両認証試験を巡る不正で、国土交通省は25日、不正が確認された45車種について基準適合性の確認を終えたと発表した。すでに型式指定を取り消している3車種については基準適合性を満たしておらず、ダイハツに速やかにリコールを届け出るよう求めた。

 同省によると、基準を満たしていなかったのはダイハツの「グランマックス」とOEM(相手先ブランドによる生産)供給しているトヨタの「タウンエース」、マツダの「ボンゴ」の計3車種のトラックタイプ。

 自動車が後ろから追突されたときに燃料漏れがないことやバッテリーの位置が動かないことなどを確認する試験で、いずれもバッテリーが所定の位置から動いたという。

 この3車種はエアバッグの試験で、衝突検知時にエアバッグを自動で作動させる必要があるにもかかわらず、タイマーを仕込んで作動する不正な加工を施していたとして、大量生産に必要な「型式指定」も取り消されている。

 国交省は、ダイハツの不正が確認された1月以降、基準に適合しているかの確認試験をしていた。

 同日、オンラインでの取材に応じたダイハツの星加宏昌副社長は、国交省による確認がすべて終わったことに「リコールの準備を進める。再発防止を引き続き愚直に推進する」と語った。リコールの対象は3車種で計約2万3千台という。

 昨年から止まっていた新型車などの開発は「正しく行う前提で順次、スタートしていきたい」とした。また、8月には工場がフル生産ラインに戻る見込みであること、リコールを正式に国交省に届け出た後にテレビCMの再開を検討することも明らかにした。

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 〈おことわり〉当初配信の記事で、基準を満たしていなかったのがグランマックス、タウンエース、ボンゴの「バンタイプ」としましたが「トラックタイプ」の誤りでした。修正しました。(角詠之、渡辺七海)

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