新たなデータ流出か サイバー攻撃を受けたKADOKAWAが発表

出版大手「KADOKAWA」本社前に設置された社名碑

 サイバー攻撃による大規模システム障害が起きている出版大手KADOKAWAは2日、サイバー攻撃を仕掛けた集団が同社の保有する情報を新たに流出させたと主張していることを確認し、調査していると発表した。調査には時間を要するという。

 この集団は「BlackSuit(ブラックスーツ)」を名乗る。2日未明、発信元の特定が難しい「ダークウェブ」上の犯行声明に、新たな情報のダウンロード先とみられるリンクを追加した。

 KADOKAWAは6月8日未明から大規模なシステム障害に見舞われた。ランサムウェア(身代金ウイルス)によりサーバーのデータが暗号化されたといい、事業に影響が出ている。サイバー犯罪集団が6月27日、自らの関与を主張する犯行声明を公表。KADOKAWAは翌28日、取引先との契約書や子会社ドワンゴの全従業員の個人情報などが外部に流出したことを確認したと発表していた。

 犯行声明で集団は、約1カ月前にKADOKAWAのネットワークに侵入し、1.5テラバイトのデータをダウンロードしたと主張。盗み取ったデータの公開中止や暗号化したデータの復元と引き換えに身代金の支払いを要求し、7月1日までに支払わなければ全てのデータを公開すると予告していた。(編集委員・須藤龍也)

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