「うめきた」地下ホームが開業「近未来あふれる駅に」…「顔パス」通過の改札・AIロボ導入
JR大阪駅北側の再開発区域「うめきた2期」の地下に新たに作られたホームが18日、大阪駅の21~24番線として開業した。従来はとまらなかった関空特急「はるか」などが停車し、西日本最大のターミナル駅としての機能が強化された。観光客らの利便性が大きく向上し、2025年大阪・関西万博にも弾みがつきそうだ。
■関空へ20分短縮
「人、まち、社会の結びつきが深化する」
JR西日本の長谷川一明社長は18日、大阪市北区で開かれた開業を祝う式典でこう述べた。
はるかは従来、大阪駅北側の線路を通過していたが、この線路の一部を付け替え、地下ホームに停車できるようにした。はるかは大阪―関西空港間を47分で結び、従来の直通列車「関空・紀州路快速」に比べて20分早くなった。
和歌山方面へ向かう特急「くろしお」や、大阪府東部を走るおおさか東線の列車も停車し、沿線から大阪駅への移動にかかる時間が大幅に短縮された。
地下ホームには「顔パス」で通過できる「顔認証改札」や、乗客の質問に答える人工知能(AI)ロボットといった最先端技術をふんだんに導入。長谷川社長は「近未来あふれる駅になった」と強調した。
■南海乗り入れへ
大阪駅を軸とした鉄道ネットワークは今後、さらに強化される。
JR西は25年の万博会期中、会場の最寄り駅・桜島と新大阪を結ぶ直通列車を運行する。この列車を地下ホームにも停車させ、より多くの人を効率よく輸送することで、万博の盛り上げに一役買う考えだ。
31年には、大阪市中心部を南北に縦断する鉄道の新線「なにわ筋線」の開業が予定されており、地下ホームに接続する。JRや南海電鉄が乗り入れ、利便性がさらに向上する。阪急電鉄も乗り入れを目指している。
■渋滞解消も
地上にあるうめきた2期(17ヘクタール)は、梅田貨物駅の跡地(24ヘクタール)の一部で、再開発が本格化する。
7ヘクタールは「うめきた1期」として先に再開発された。現在の「グランフロント大阪」(13年開業)だ。
うめきた2期は「グラングリーン大阪」として、大阪市などが整備する公園やホテル、商業施設、タワーマンションが建設される。24年夏に公園の一部や、ホテルなどが先行開業を予定。27年度の全面開業を目指す。
このエリアの西端には線路が走り、はるかなどが通過していた。この線路により東西の行き来が不便で、1か所ある踏切では度々渋滞が起きていた。
地下ホームの開業でこの線路が不要となり、間もなく撤去される。大阪市は「線路による『まちの分断』や渋滞の解消につながると期待される。再開発と合わせて、駅周辺のまちの魅力がさらに増す」とする。
03/19 11:29
読売新聞