百貨店の物産展減少、出店攻勢強める「どさんこプラザ」

 北海道が道産品を直売するアンテナショップ「北海道どさんこプラザ」の全国展開を強化している。新型コロナウイルスの影響で消費の落ち込みに苦しむ生産者らを支援するのが狙いだ。巣ごもり需要を目当てにスーパーとの連携にも取り組んでおり、「逆風」をチャンスに変えて販路拡大に力を入れる。(大前勇)

■新規出店3か所

 年末年始で混雑する昨年12月末の東京・羽田空港。道産品やアイヌの民芸品など約900品目が並ぶ「どさんこプラザ羽田空港店」は、大きな荷物を持った帰省客らでにぎわっていた。同店は同6月、道外店舗としては2018年の東京・吉祥寺店以来、3年ぶりに設置された。国内最大の空の玄関口で、全国に道産品や北海道観光の魅力を発信する役割が期待される。

 道の出店攻勢はこれだけではない。羽田空港店の設置から3か月後の同9月、道は関西地方では初めて、大阪市の「あべのハルカス近鉄本店」に出店した。今年もゴールデンウィーク前の4月下旬、東京都町田市に国内12か所目となる新規店舗を出店し、東京西部や神奈川県から新たな来店客の取り込みを目指す。

■売り上げ4割増

 21年度10月末までの「どさんこプラザ」の総売り上げは、全国各地で外出自粛が相次ぐ中でも、前年同期比で約4割増え、約13億2000万円となった。

 地方自治体の活動を支援する一般財団法人「地域活性化センター」によると、20年度の東京都内の全国の自治体のアンテナショップで、売り上げ、来店客数ともに1位は「どさんこプラザ有楽町店」だった。

 同センターは「コロナによる落ち込みはあるが、どさんこプラザは全国でトップクラスの人気を維持している」とする。

 どさんこプラザ増設は、コロナ禍で取引が減った道内の生産者や食品事業者の販路拡大を狙ったものだが、道食産業振興課によると、道外の商業施設側にも、ブランド力のある道産品を扱う店を誘致して売り上げ回復につなげようとする期待感があるという。

■高まる需要

 道外での道産品の販売はこれまで、百貨店での「北海道物産展」が大きな役割を果たしてきた。しかし、20年以降は新型コロナ対策で開催できなかったり、規模縮小を余儀なくされたりする事態が続いている。

 この減少分を補うため、道は21年度、巣ごもり需要で客足が堅調なスーパーの店舗内に道産品の特設コーナーを設置してもらう取り組みを実施。昨年11月までに首都圏や関西、中国、四国地方で計5億9000万円を売り上げた。

 首都圏の約80店舗で道産品の特設コーナーを設けた大手スーパー「東急ストア」(東京)は「旅行に行きにくくなったことで、店舗での各地の特産品への需要は高まっている。消費者の支持が高い道産品は集客にもつながる」と指摘する。

 鈴木直道知事は7日の記者会見で、道産品の販路拡大について「反転攻勢が必要だ。生産者、取引先を失った方々を支援していく」と強い意欲を示している。

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