3連休ほぼ満室の温泉旅館「せっかくいい方向に向かっていたのに…」

目玉のフジの花をイメージしたイルミネーションには多くの人が集まり、記念撮影などを楽しんでいた(21日、あしかがフラワーパークで)

 全国的に新型コロナウイルスの感染者が急増する中で迎えた3連休初日の21日、栃木県内の観光地や観光施設は多くの人でにぎわった。施設側は感染防止対策を徹底して観光客を迎え入れ、たくさんの来客に安堵(あんど)の声が聞かれた一方、感染の状況次第で客足が再び遠のくのではと心配する向きもあった。

 フジやバラの花を模したイルミネーションが話題の「あしかがフラワーパーク」(足利市迫間町)では、点灯してすぐの同日午後5時頃、チケット売り場に行列ができていた。駐車場も続々と埋まり、同園の早川公一郎社長(40)は「もう少し自粛ムードが続くかと思ったが、正直予想以上の人出だ」と話した。

 同園では、10月17日からイルミネーションイベントをスタート。出口と入り口を分けたり、園内の通路を左側通行にしたりと、混雑を防ぐ感染防止策を取っている。3連休を迎える前には、園内の消毒液の設置場所を倍近くに増やし、マスクの着用などを呼びかける看板も増設した。

 一時は遠のいた客足も、週末は1日1万人以上と例年の8割ほどに回復。ところが、早川社長は「今のまま全国で感染が拡大すれば客足が減ることも予想される。この3連休が今季最後の集客が見込めるチャンスかもしれない」と険しい表情で語った。

 様々な店のギョーザを食べ比べることができる宇都宮市馬場通りの「来らっせ 本店」。この日の昼時には例年同様の約2時間待ちのにぎわいを見せた。店側は感染防止対策として、列ができて人が密集しないように、予約受け付けシステムを導入。このほか、体温を測定するサーマルカメラやアルコール消毒液の設置、客席を減らす措置も取っている。

 担当者は「10月上旬から売り上げが戻ってきていたところなのに。今日は思った以上にお客さんが来てくれているが、また冷え込んでしまうのでは」と話し、今後の感染の広がりを懸念。旅行で同店を訪れた福島県の50代女性は、「東京などへの遠出は感染が怖くてできず、栃木は感染者が少ないこともあり(旅先に)選んだ」と話していた。

 また、紅葉シーズンも終わりを迎えた那須塩原市の塩原温泉ではこの日、強風が吹いて残っていた木々の葉も落ち、道行く観光客は少なめ。ただ、「Go To トラベル」の影響もあり、東京方面からの宿泊客は多く、温泉旅館の「湯守田中屋」では、3連休はほぼ満室となっている。田中三郎社長(61)は「今のところキャンセルはあまり出ていない。ただ、心配だ。せっかくいい方向に向かっていたのがストップしてしまうのでは」と、感染拡大への不安を口にした。

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