FRB、ゼロ金利政策の維持決定…23年末まで継続見通し

オンラインで会見するFRBのパウエル議長

 【ワシントン=山内竜介】米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、事実上のゼロ金利政策の維持を決定した上で、少なくとも2023年末まで継続するとの見通しを示した。また、フォワードガイダンス(将来の運営指針)を明示し、物価上昇率が目標とする2%を一時的に超えてもゼロ金利を続ける方針を打ち出した。

 金融緩和を長期化させる姿勢を明確にし、新型コロナウイルス感染拡大で悪化した米経済の回復を後押しする考えだ。

 政策金利となるフェデラル・ファンド金利の誘導目標を年0~0・25%に据え置く。市場に大量のお金を供給する「量的緩和」は、米国債などの買い入れペースを現行のままとする。

 3か月ごとに公表している政策金利見通しでは、FOMC参加者17人のうち、13人が23年末までゼロ金利が維持されるとの見解を示した。物価上昇率は23年10~12月期に2・0%と、「2%超」には届かないと見込んだ。

 FRBは8月、金融政策の物価目標を「2%のインフレ」から「一定期間の平均で2%」を目指すように見直しており、今回の声明文にはこれを反映したフォワードガイダンスを盛り込んだ。具体的には、「FOMCが最大の雇用とみなせる水準に労働市場が回復すること」と「物価上昇率が2%に上昇し、一定期間、2%を緩やかに超える軌道に乗ること」を満たすまで、ゼロ金利を続けると明記した。

 FRBが15年末にゼロ金利を解除した際の個人消費支出物価指数(食料・エネルギーを除く)の上昇率は1・2%程度だった。これまでFRBは、物価が2%に達していなくても上昇傾向となると、過度なインフレを警戒して利上げに動くことが多かった。今回、フォワードガイダンスで利上げの条件を明記することで、金融緩和の効果を高めて消費や投資を促したい考えだ。

 パウエル議長は会合後の記者会見で「今回の強力な指針は、経済に貢献すると信じている」と強調した。

 経済見通しは6月時点よりおおむね引き上げた。20年10~12月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比3・7%減と6月時点より2・8ポイント上方修正した。失業率は20年同期に7・6%、21年同期に5・5%と予測した。6月時点より改善したものの、感染拡大前の3%台と比べて厳しい雇用環境が続くと見込む。

◆フォワードガイダンス 中央銀行が示す将来の金融政策の指針。政策変更の条件などを明示することで、現在の金融政策がいつまで続くか見通しやすくし、投資家や企業らに安心感を与えるのが狙いだ。FRBは2011年にも、ゼロ金利政策を約2年続けると打ち出した。日本銀行も導入している。

◆FOMCのポイント

 ▽政策金利を年0~0・25%に据え置き。事実上のゼロ金利政策を2023年末まで維持する見通し

 ▽フォワードガイダンス(将来の運営指針)を示す。雇用が最大水準に回復し、物価上昇率が2%を緩やかに超える軌道に乗るまで、ゼロ金利を続ける

 ▽失業率を20年10~12月期は7・6%、21年同期は5・5%と予測

 ▽20年10~12月期の実質国内総生産(GDP)成長率の見通しは前年同期比3・7%減。6月時点より2・8ポイント引き上げ

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