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関電、8月に電気料金値下げ 「少しでも早く」背景に自由化競争…家計や企業経営には朗報

関西電力の岩根茂樹社長=5月26日、大阪市北区の関西電力本店(奥清博撮影)

 関西電力は19日、高浜原発3、4号機(福井県)の再稼働を受けた電気料金値下げを、8月1日に実施すると発表した。関電が早期値下げに踏み切る背景には、電力自由化での顧客獲得競争がある。原油価格の低迷で火力燃料費の削減効果は小さく、値下げ幅は限定的とみられるが、ほかの原発も順次動けば、家計や企業の経営環境は好転に向かう。
 「少しでも早くということでやる。作業はタイトだが全力を尽くす」。関電の岩根茂樹社長は記者会見で強調した。
 国の審査などの日程が厳しいにもかかわらず、値下げを急ぐのは、昨年4月の電力小売り全面自由化以降の顧客離脱が止まらないからだ。なかでも大阪ガスには35万件(6月3日現在)の顧客が流れた。
 値下げは競争に拍車をかける。大ガスは「早期に(電力の)値下げを含めて検討する」(本荘武宏社長)と対抗心を燃やす。
 関電は、平成23年の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故を受けて全国の原発の稼働が軒並み停止していった中、家庭向けで25年に平均9・7%、27年に同8・3%の値上げに踏み切った。その後、原油価格下落で火力燃料費が下がり、関電は電気料金を順次下げてきた。
 燃料費削減分だけでは値下げ幅は3%程度にとどまる見通しだが、岩根社長は「経営効率化も織り込んで、踏み込んだ値下げを実現したい」と話した。
 電気料金が大きく下がれば、家計に余裕を与え、消費に回るお金を増やすだけでなく、企業にとっても朗報だ。関西経済同友会の鈴木博之代表幹事(丸一鋼管会長)は「値上げで世界的なコスト競争力が落ちている」と指摘。日立造船の古川実相談役は「関西経済が良くなる一つのきっかけ」と期待する。
 関電は大飯原発3、4号機(福井県)も秋に再稼働させ、年度内に2度目の値下げをする方針。25年の値上げ直後の料金水準まで戻す可能性があり、競争力が大幅に高まる。