スズキ新型「ジムニー“XL”」発表! 「待望のコンパクトSUV」に「右ハンドル車」登場も日本導入はまだ? 現実的な「時期」は“いつ”なのか

直近では2023年12月に、オーストラリアでも新型「ジムニー5ドア(オーストラリア名「ジムニーXL」)」が発売されたと報じられました。オーストラリアで展開される同車は右ハンドルで、日本でもすぐ走れなくはなさそうですが、待望の日本導入はいつ頃になるのでしょうか。考察します。

右ハンのスズキ新型「ジムニー“XL”」登場も…日本では未発表?

 スズキの本格オフローダーである「ジムニー」。2018年7月に登場した現行型モデルは、スクエアで厳ついルックスが受けて大ヒットしました。

 しかし、人気が高くなりすぎてしまい、残念なことに、注文しても納車されるまでとても時間がかかる状況に。なんと1年を超えるのが普通になってしまったのです。

右ハンドルも出た! スズキ新型「ジムニー5ドア」

右ハンドルも出た! スズキ新型「ジムニー5ドア」

 ちなみに、発売から5年が過ぎようという今も、1年を切るのは難しい状況のようです。X(旧Twitter)で「ジムニー」「納車」を検索してみると、「MTならば数か月も~」という書き込みはありますが、「ATは1年以上」という状況とか。発売直後の最悪の状況は越えつつあるようですが、まだまだ多難という状況のようです。

 そんな、長い納車待ちにモヤモヤしているファンに、驚きのニュースが届きました。なんと、インドで「ジムニー」の5ドア仕様が発売されたというのです。これが2023年1月のこと。しかも、インドで作られた「ジムニー5ドア」は、アフリカや中南米などにも輸出されるというのです。

 そして、2023年秋から2024年初頭にかけて、「ジムニー5ドア」は、ニュージーランドなどオセアニア地区でも販売が開始される予定です。

 直近では、2023年12月5日に、オーストラリアでジムニー5ドア(オーストラリア名「ジムニーXL」)が発売となったと報じられました。

 ポイントは、オーストラリアやニュージーランドは右ハンドル仕様ということ。日本にも、すぐにフィットしそうな内容です。

「すぐ隣で売っているのだから、日本にも輸入・販売して!」。ジムニーが欲しくて、1年以上も待たされている人であれば、そう思ってしまうのも当然のことでしょう。

 そもそも日本で発売される「ジムニー」は、軽自動車も、登録車の「ジムニーシエラ」も3ドアです。街中での使用を考えれば、5ドアの方が便利に決まっています。日本で「ジムニー5ドア」を発売すれば、一定数売れることは間違いありません。

 しかし“すぐに日本で発売を!“となるかといえば、それほど簡単な話ではありません。もしも、スズキが日本国内の販売を考えていれば、すでに何らかの発表があってもいいはず。しかし、スズキに動きは見られません。

 なぜ、スズキから「ジムニー5ドア」の日本導入の話が出ないのでしょうか。その理由はいくつか推測することができます。

ジムニー5ドア、なぜ出ない?いつ出る?

 まず、優先順位として3ドアの日本生産の「ジムニー」の受注残を片付けることが先。散々に納車待ちを食らっている人が、「5ドアが出ました」と聞けば、怒ってしまうことが考えられます。

オーストラリアでの名称は「ジムニーXL」となった

オーストラリアでの名称は「ジムニーXL」となった

 ですから、現在の納車まで1年待ちを超える状況が解消するまで、「5ドア」の追加はあり得ないはずです。

 次に、「ジムニー5ドア」を日本に導入するとして、“一体、どの程度の数が売れるのか?”という問題があります。一定数は確実ですが、実際に、どのくらいの数になるのかは不明です。

 現在のところ「ジムニー」は、月に3500台ほどが売れています。この調子で納車待ちが1年あるということは、バックオーダーが3~4万台程度あることが予想できます。

 しかし、逆に言えば、その程度の数字です。ちなみに今、最も売れている軽自動車はホンダ「N-BOX」で、月に2万台ほどが販売されています。年間で言えば24万台規模。これに比べれば、「ジムニー」の年間3~4万台レベルというのは、それほど大きなものではありません。

 ですから、「ジムニー5ドア」が追加されると、どの程度のプラスが生まれるのかが重要です。もしも、追加することで販売が2倍にまで膨れるのであれば、スズキも真剣に検討するはず。

 ところが、「5ドア」を追加したことで「3ドア」が減ってしまうようでは意味がありません。ここら辺のシビアな計算をクリアした先に、「ジムニー5ドア」の日本導入のドアが開かれるのです。

 現在ある、「長い納車待ち」という課題をクリアし、その先の「5ドア導入による販売数拡大の手応え」があって、ようやく真剣な検討が始まるというのが「ジムニー5ドア」の状況ではないでしょうか。

 これらを解決すには、数か月ではなく、数年単位の時間がかかってもおかしくないのでは。残念ながら「ジムニー5ドア」が日本に登場するとしても、それは相当先になるのではないでしょうか。

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