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予想外にお金がかかる田舎暮らしの現実。移住したら生活が苦しくなるかも!?

ずっと都市部で生活してきた人の中には、「いつかはのんびり田舎で暮らしてみたい」と考えたことがある人もいるのではないでしょうか。

国土交通省が公表した「平成29年度 国土交通白書」によると、地方移住(I・J・Uターン)の支援相談窓口※への来訪者や問い合わせ件数は、2008年には2,475人だったのが、2017年には3万3,165人まで増加しています。

※認定NPO法人ふるさと回帰支援センター

忙しい毎日を送っていると、「満員電車で押しつぶされることもなく、家庭菜園でもやりながら田舎でゆったり過ごす老後…」とイメージが広がりますが、本当にゆったりした老後が送れるのでしょうか。

実は田舎暮らしでは、都会暮らしとは違うところで予想外にお金がかかることがあります。移住先での生活をしっかりシミュレーションしておかないと、生活が苦しくなるかもしれません。

そこで、公共バスは1日数本で18時前に最終便、日常でイノシシやホタルが出現するレベルの田舎出身の筆者が、田舎暮らしでかかるお金について紹介します。

田舎暮らしはこんなところにお金がかかる

「田舎暮らしは住居費が安いし、家庭菜園で野菜でも作れば生活費はあまりかからないのでは」と思う人もいるかもしれません。たしかに田舎は都市部と比較して家賃がかなり安い物件が多く見られますし、家庭菜園が楽しめる、広い庭付きの戸建て住宅が格安で売り出されていることもあります。

しかし、都会で暮らしているときには想像もしなかったところに、思わぬ出費がかさむこともあるのです。安易に「田舎は生活費が安く済むだろう」と考えて移住すると、後々生活が苦しくなる可能性もあるので、田舎暮らしの何にお金がかかるのかをしっかり把握しておきましょう。

その1:自動車

田舎暮らしでは自動車が必須といっても過言ではありません。

田舎は都市部のように公共の交通機関が充実しておらず、冒頭でお伝えしたような「公共バスは1日数本で18時前が最終便」ということもあります。バスがないなら電車を使えば…と思うかもしれませんが、そもそも何十キロも先の町に行かないと駅すらないという場所もあるのです。

タクシーを呼んでも到着までに数十分かかることもあるので、もし夫婦で移住するなら1人1台自動車がないと、生活がかなり不便になります。しかし、1人1台自動車を持つとなると、購入費や税金、車検代、ガソリン代などと費用がかさみます。

その2:交通費

田舎では公共交通機関の利用者が少ないため、料金が高く設定されていて、ちょっと移動するだけでも往復数千円かかることがあります。

バスの本数が少ない場所では、電車に乗りたい場合には駅までタクシーで行くしかないことも。そうなると、さらにタクシー代がかさむことになります。とにかく「移動」にお金がかかるのです。

その3:光熱費

都市部では「都市ガス」と「プロパンガス」の選択肢がありますが、田舎ではプロパンガス一択ということも少なくありません。

プロパンガスは配送コストが上乗せされていること、プロパンガス会社が価格を設定できることなどから、もともと都市ガスよりも料金が高い傾向にあります。

さらに田舎ではプロパンガス会社自体が少ないので、より価格が高めに設定されがちです。そのため、光熱費が思っていた以上に高くつく可能性があるのです。

その4:日用品費や食費

田舎では近隣に個人経営の商店やスーパーしかないことがあります。個人経営のお店は、チェーン店と比較すると物の値段が高めです。

自動車で数十分移動すれば、大型ショッピングモールを利用できることもありますが、そこに行くまでのガソリン代などのコストも考えると、日用品や食費が都市部に比べて割高になるでしょう。

その5:町内会や自治会の会費

地域によっては町内会や自治会の活動が活発です。そして、町内会や自治会の活動が活発なところは、会費が高額になることがあります。

田舎は行政の公共サービスが行き届かず、ゴミ収集場所の管理や地域の防災パトロール、防災灯の設置などを町内会や自治会が行っていることがあるので、会費が高くなるのは仕方ない面もあるのです。

しかし、年間何万円も町内会や自治会の会費がかかる地域だと、会費の支払いが生活に響いてくるかもしれません。入会しないという選択肢もありますが、町内会や自治会に入会しないとサービスが利用できなかったり、他の住民とトラブルになったりするケースもあります。

こんなお金もかかるかも!その土地でのリアルな生活を調べてみて

ここまでに紹介した以外にも、たとえば古民家を購入したら汲み取り式のトイレで改修にお金がかかった、近所づきあいが増えて飲み会や贈答品の出費がかさんだ、というような場合もあります。

交通の便が悪い場所だと、移動にお金がかかりすぎて子供や孫が遊びに来にくくなったため、交通費を渡すようにしたら出費が増えた、なんてことも。

また、大きな病院が遠く、長期治療が必要な病気になったときに通院費用が高額になるということもあるでしょう。「田舎でこういう暮らしがしたいな」とイメージするだけでなく、その土地でのリアルな生活を調査しておくことが大切です。

おわりに

のんびり田舎暮らしにはいいこともたくさんありますが、予想外の出費が重なると生活が苦しくなってしまうリスクも潜んでいます。「田舎は生活費が安く済みそう」とイメージだけで移住を決めずに、何にどのようなお金がかかるのかをできる限り調べておきましょう。

可能であれば、1、2カ月ほど移住を希望している土地に滞在し、リアルな生活を体験してみるのがおすすめです。憧れの田舎暮らしを成功させるには、生活費まで含めた詳細な計画作りが重要ですよ。

【参考】 
平成29年度 国土交通白書 第一章第三節」(国土交通省)
都会の若者、4人に1人地方移住に関心 国土交通白書」(日本経済新聞)

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