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新型肺炎でスシローの27カ月連続成長は止まるのか? 回転寿司業界にも迫る脅威

回転寿司チェーン店「スシロー※」の成長が続いています。人口減少で小売業を取り巻く環境が悪化しつつある中、スシローの既存店売上高は2020年1月まで27カ月もの間プラス成長を続けており、増収増益を達成しています。

しかし1月に新型肺炎発生が報道されて以来、感染の拡大が続いており、回転寿司業界もその影響を避けられそうにありません。新型肺炎問題がスシローの快進撃をストップさせてしまうのでしょうか?

※社名は「株式会社あきんどスシロー」、スシローグローバルホールディングス(3563)の傘下企業。

回転寿司業界の王者・スシローの堅調な業績

競争が激しい回転寿司チェーン店ですが、王者スシローの成長性は際立っています。2019年9月期の業績(IFRSベース)は下記の通り増収増益を達成しました。

  • 売上収益1990億円(対前年比+13%増)

  • 営業利益145億円(同+24%増)

  • 当期利益99億円(同+24%増)

一方、ライバル2社の業績は次の通りです。

くら寿司(2695) 2019年10月期

  • 売上高1361億円(対前年比+2.7%増)

  • 営業利益54億円(同▲20%減)

  • 当期純利益37億円(同▲26%減)

カッパ・クリエイト(7421) 2019年3月期

  • 売上高761億円(対前年比▲3.3%減)

  • 営業利益6.2億円(同+66%増)

  • 当期純利益1.4億円(同▲82%減)

売上規模で2番手のくら寿司が減益となる中で、スシローは増益を果たしました。またカッパ・クリエイト(かっぱ寿司)は営業利益ベースで増益となったものの、利益規模ではスシローの約20分の1の水準に過ぎません。

このように、損益計算書ベースでスシローは回転寿司業界の雄としての実績を残しています。

かつてスシローはファンド子会社となって非上場化され、2017年に再上場した経緯があります。現在の快進撃は非上場化の後に行われた体質改善の結果、と考えることができます。

参考:2017年からのスシローグローバルホールディングスの株価推移

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月次の既存店売上高でも無類の強さを発揮

スシローの真価は既存店の安定成長にあります。実際、2017年11月から2020年1月まで、27カ月連続で既存店売上高の対前年同月比プラス成長を達成しています。

少子高齢化社会の日本で、新規出店分の数字を加味せず既存店のみで2年以上も増収を続けるチェーン店は珍しいといえるでしょう。

一方、くら寿司の既存店売上高を見ると、2019年10月期のプラス成長月は5月のみと、既存店の苦戦は明白です(2020年10月期は11月と1月がプラス成長)。

くら寿司は海外子会社が米国ナスダック市場に上場するなど、海外事業に注力していましたが、月次売上の状態からは既存店へのテコ入れタイミングが来ていると考えることができます。

カッパ・クリエイトは損益計算書ではスシローに大きく水をあけられていますが、2020年3月期の既存店売上高では7月を除き全ての月でプラス成長。2019年3月期はプラス成長月とマイナス成長月が半々でしたが、今期は堅調に推移しています。

こうして競合チェーンと比べると、既存店のみでの安定した成長性がスシローの強さの源泉といえるでしょう。

新型肺炎の影響が懸念される回転寿司業界

くら寿司が今後の目玉店として、浅草にインバウンド対応の新型店舗をオープンしたのが今年1月22日。しかしその直後に新型肺炎問題が広がり、訪日外国人観光客は激減しています。

繁華街の回転寿司店は訪日外国人の人気スポットであるため、くら寿司以外の回転寿司チェーン店も新型肺炎の影響は小さくないでしょう。また、政府は不要不急の外出を控えるよう呼びかけており、飲食のみならず経済全体への深刻な打撃は避けられないと予想されます。

回転寿司業界では無類の強さを発揮するスシローも新型肺炎問題の影響を受け、遂に成長が失速してしまうのでしょうか。まずは2月の月次数字の状態が注目されます。

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