大阪・関西万博 会場・夢洲へのアクセスに不備 「コロナ」「IR遅れ」で鉄道の延伸進まず 12月1日に承認見通しだが… 

 博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)総会が12月1日に開かれ、2025年大阪・関西万博の事業概要を定めた政府の「登録申請書」が承認される方向だ。これを受け開催の準備が本格化する。課題は、会場となる人工島、夢(ゆめ)洲(しま)(大阪市此花区)方面への鉄道各社の延伸が、大阪メトロの地下鉄中央線を除き間に合わないことだ。会場への輸送体制の不備は万博成功のネックとなりかねない。(黒川信雄)
 事業が間に合わない背景には、新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化や統合型リゾート施設(IR)誘致の遅れがある。
 近鉄グループホールディングス(HD)幹部は今月12日、令和2年9月中間連結決算の記者会見で、万博開催前の実現を目指していた夢洲と奈良を直通で結ぶ新型車両の開発・運行計画について「実施時期は経済環境や、需要の回復状況を勘案する」とし、遅らせる可能性を示唆した。
 奈良線と、夢洲に延伸する大阪メトロ中央線に乗り入れる近鉄けいはんな線を結び、両線の集電方式に対応した新型列車を直通運行させる計画だったが、新型コロナによる経営悪化で、見直しを余儀なくされた。
 京阪HDも夢洲方面への延伸をめぐり、中之島線を大阪メトロ中央線の九条駅まで延伸し、両線を接続させることを検討している。
 ただ、加藤好文会長は5日、「IRの誘致決定が前提条件」との立場を改めて示し、早期の実現の可能性を否定した。JR西も桜島線の夢洲への延伸を検討するが、万博までの開業は想定していない。
 そんな中、大阪湾内で遊覧船を運航する京阪HD傘下の大阪水上バス(大阪市中央区)が15日、夢洲周辺での遊覧船の運航試験を実施した。万博の来場者輸送をにらんだものだ。
 ただ、船舶での大量輸送は困難で、あくまでも陸路での輸送への補助的な役割にとどまりそうだ。

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