ネット通販強化のヤフーと資金難のZOZO、思惑一致

 ネット通販の強化を目指すヤフーにとり、ZOZOが持つ年間購入者800万人超の会員基盤は魅力的だった。ZOZOの株価が低迷した割安感もあった。一方、資金難にあえぐZOZOにとっても、買収提案は“渡りに船”で、両者の思惑が一致した形だ。
 ヤフーはソフトバンクが6月に子会社化。10月には、経営の多角化を狙って、Zホールディングスという名称の持株会社体制に移行する。重要課題の1つがネット通販だ。アマゾンは物流網に多額の投資をつぎ込み、盤石の体制で待ち受ける。楽天は携帯電話事業の参入をてこに事業拡大を狙う。フリーマーケットアプリのメルカリなどの新興勢力も成長している。
 ソフトバンク親会社のソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は「楽天を抜くのはいつだ」と発破をかけていたといわれる。ヤフーは8月、ネット通販の業績低迷を理由に、傘下のアスクルに対し、株主総会での社長解任という強硬手段にも打って出るほど追い詰められている。
 一方、急成長したZOZOは、平成30年1月に始めたプライベートブランド(PB)事業は、全身を採寸できる「ゾゾスーツ」を無料で配り話題を呼ぶも、実際の商品発注にはつながらなかった。有料会員向けの割引サービスは出店ブランドの離反を招いた。利用者の支払いを最大2カ月後とする後払い決済は販売代金の回収期間が長期化する要因となり、資金難に拍車をかけた。一時1兆5千億円を超えた時価総額も11日時点で、半値以下の6750億円に低迷している。(高木克聡)

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