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所得税改革Q&A 高所得者に増税、格差是正が狙い

 自民党税制調査会は15日、党本部で会合を開き、平成30年度税制改正で焦点となっている所得税改革に向けた議論を本格化させた。改正に向けた主な論点をQ&A形式で整理した。
 Q なぜ所得税の改革が必要なのか
 A 働き方が多様化し、企業で働いていなくてもフリーランスなどで同じような働き方をしている人が増えている。ただ、会社員は給与の一定額をスーツなどの経費と見なして税負担を軽くする「給与所得控除」を受けられるが、フリーの人などはその恩恵を受けられず、不公平感が指摘されていた。こうした制度格差を見直して、多くの人が収入の拡大を実感できる改革を実行し、消費拡大につなげる狙いもある。
 Q 政府・与党はどのような改革案を考えているのか
 A 税負担が軽くなる控除を中心に見直す方針だ。給与所得控除と、年金所得から差し引く「公的年金等控除」について、収入の高い人を中心に控除額の縮小を検討する。一方で、全ての税金を納める人に適用される「基礎控除」は、差し引ける額を増やすことや一定以上の高収入な人に限って、差し引ける金額を減らすことなどを考えている。所得税の控除方式の見直しも検討課題だ。
 Q 所得税の控除方式の見直しとは
 A 日本では「所得控除方式」が採用されており、収入から子育てなどに必要な経費とみなされる額を差し引いた金額が税金のかかる対象となる。高収入な人ほど所得税率が高いため、所得控除方式では結果として高収入の人ほど納める税金が小さくなる。たとえば所得控除額が100万円の場合、所得税率40%の人は税金が40万円減るが、所得税率5%の人は、わずか5万円しか税負担が軽くならないため、収入が高い人ほど恩恵が大きくなる。
 Q どのような見直し案があるのか
 A 所得の多い少ないに関係なく、税金がかかる所得に対して、一定の税率を掛けて税額を算出し、その後で一定額を差し引く「税額控除」という案がある。全体の税収が増減税の前と変わらない税制中立を前提として所得控除を税額控除に変えた場合、収入が高い人の税金が軽くなる今の仕組みに比べて、対象者の税金はだいぶ重くなる。
 Q どのような課題があるのか
 A 増税となる高収入の人の反発は必至だ。