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日欧EPAが最終合意へ TPPに続く日本主導の交渉が成就 発効にはなお曲折か

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉は15日、年内に最終合意する方向で調整に入った。隔たりが大きい企業と進出先国との紛争処理手続きに関する協議は切り離し、妥結を優先する見通しだ。米国を除く11カ国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に続き、日本主導の巨大自由貿易協定(メガFTA)交渉が成就することになるが、発効に向けた承認手続きにはなお曲折が予想される。
 河野太郎外相と世耕弘成経済産業相が同日、マルムストローム欧州委員(通商担当)と電話会談し、早期の妥結に向け最大限努力することを確認した。
 日欧EPAは7月に大枠合意を発表したが、紛争処理は結論を先送りした。その後の協議でも歩み寄れず、最終合意が大幅に遅れる懸念が生じたため、この項目を切り離して別途交渉する方向で検討する。
 紛争処理は海外に投資した企業が急な制度変更で不利益を被った際、賠償を請求する制度。日本はTPPと同様に世界銀行傘下の仲裁機関の活用を主張しているが、EUは専属の仲裁人を置く常設の投資裁判所の創設を求めていた。
 日欧の国内総生産(GDP)は世界全体の3割近く、TPP11の2倍超。日本は今月、TPP11大筋合意実現に加え、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉でも中国が狙う自由化水準の低い協定を拙速に年内合意する筋書きを回避しており、日本の戦略通りの展開が続いている。
 ただ日欧EPAは最終合意後にEUの複雑な承認手続きが必要。かつてEUとカナダのFTAがベルギーの一部地域の反対で崩壊寸前に追い込まれたこともあり、円滑な承認には不安が残る。TPP11も大筋合意の発表がカナダの反対で大混乱した。
 米国のロス商務長官は14日、巨大な米国市場への参入拡大という最大の魅力が失われた状況では、「(TPP11は)最終的に合意するのは困難だろう」と述べた。
 経済連携交渉に波乱は付きものだ。米中に経済規模で劣る日本がどこまで求心力を発揮し、発効に向けた機運を保ち続けられるかが今後は問われてくる。