経済・IT

数字への苦手意識が消えるシンプルな習慣

テーマをひとつ決めて毎日数字で記録してみよう

苦手意識を克服するためのヒントは、ある行為を習慣にすることです。

ある工場で実際にあった例をご紹介します。その工場の職員は、経営者がいくら「数字を意識せよ」「データを使って考えてみろ」と言っても、自らの経験や勘に頼ってばかり。

そこで経営者は、今度は職員に対して「やったことを数値で記録するように」と伝えました。最初は面倒くさがっていた職員も、記録すると、その日と前日とが簡単に比較できるようになります。

すると職員の会話に変化が生まれます。「前日より所要時間が短縮している。なぜ?」「前日より人数は少ないのに今日のほうが出荷数が多い。なぜだろう」と、そんな会話を自発的に職員たちは始めたそうです。そう、まさに「数会話」です。こうなると職員は、次の日も数値で記録してみようと自然に思えるようになります。

増えた。減った。なぜだ。おそらく◯◯◯だからじゃないだろうか。じゃあ明日は◯◯◯を変えてみよう。翌日もまた……。お気づきのように、これがいわゆる「PDCAサイクル」と呼ばれるものです。たったこれだけで、職員は苦手だと思っていたはずの数字を前のめりで使い、仕事の仕方を変えたのです。

▼自分の行動を「定点観測」してみる

私があなたにお伝えしたいことはたったひとつ。いまの仕事において何でもいいからひとつだけ、数字で記録するテーマをつくってください。そして1日1分でいいので、その日に記録した数値を振り返るのです。つまり、毎日の習慣にするということ。

営業やマーケティングといった数値化しやすい仕事の方であっても、「コピーを何枚とったか」「電話を何回かけたか」「“ありがとう”を何回言われたか」など、あえてあまり数値化しないテーマを選ぶことがコツです。決して「え、そんなこと?」とは思わないでください。自分は効率よく仕事ができているか、コミュニケーションをサボっていないか、人を大切にして仕事をしているか、そんなことに定点観測することで気づけます。しかし、記録していなければ絶対に気づくことはできません。

さて、あなたはどんなテーマで「定点観測」を始めますか。記録が楽しくなり、テーマが増えてきたら、数字への苦手意識が消えるとともに、仕事の質も飛躍的にアップしているはずです。

▼ビジネス数学の専門家・深沢真太郎先生のアドバイス
記録することが楽しくなってきたらあなたの苦手意識はすでに消えている!

深沢真太郎
ビジネス数学の専門家。BMコンサルティング株式会社代表取締役、多摩大学非常勤講師。『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など著書多数。人生のテーマは「数字が苦手な人を0(ゼロ)にする」。