郵便料金、飲料など値上げ 児童手当拡充 10月から暮らしこう変わる

飲料や食品が値上げ(10月から暮らし こう変わる)

飲料や食品が値上げ(10月から暮らし こう変わる)

 10月から暮らしに関わる制度や仕組みが変わります。生活に身近な点では、郵便料金が約3割引き上げられます。食料品も引き続き値上げが続きます。一方で、最低賃金は全国加重平均で1055円と現在よりも51円上がります。児童手当も所得制限がなくなるなど、拡充されます。主なものをまとめました。

郵便料金、飲料・食料品値上げ

 日本郵便は10月から郵便料金を約3割引き上げます。手紙(25グラム以下の定形郵便物)は1通84円から110円に、はがきは63円から85円になります。レターパックも郵便受けに配達する「ライト」が370円から430円に、対面で配達する「プラス」が520円から600円に値上げされます。

 郵便料金の改定は消費税の増税時を除き、1994年以来30年ぶり。電子メールやSNS(ネット交流サービス)の普及で、郵便物の数が減っているのに加え、人件費や燃料費などの上昇で、従来の料金を維持できなくなりました。

 約3000品目の飲料・食品の値上げも見込まれています。キリンビバレッジやアサヒ飲料、サントリー食品インターナショナル、コカ・コーラボトラーズジャパン、伊藤園など飲料各社は10月1日出荷分から、ペットボトルやボトル缶の希望小売価格を引き上げます。なかには3割以上の値上げとなる商品もあります。各社は円安の影響を受けた原材料や容器・包装資材の価格高騰に加え、物流費や人件費の上昇などを理由に挙げています。

 亀田製菓は、スナック菓子の「ハッピーターン」や「ぽたぽた焼」などを9~22%、湖池屋は「ポテトチップス」などを4~14%値上げします。日本ハムや丸大食品、伊藤ハムもハムやソーセージ商品などについて、最大2割程度の値上げを実施します。帝国データバンクの集計によると、2022年や23年に比べると、食品の値上げは落ち着いてきているものの、約3000品目の値上げが見込まれる10月は今年4月以来、半年ぶりの値上げラッシュになりそうです。

児童手当拡充、最低賃金引き上げも

 政府は児童手当の所得制限を撤廃し、支給対象を現在の中学生までから高校生年代までに拡大します。第3子以降への給付額をこれまでの2~3倍となる3万円に増やし、年3回だった支給回数を6回に変更します。10~11月分にあたる12月の支給から適用されます。

 従業員数51~100人の企業で働くパートやアルバイトら短時間労働者が、新たに厚生年金の加入対象になります。9月までは101人以上の企業で働く人が対象でしたが、企業規模の要件が引き下がります。加入には他にも、週の所定内労働時間が20時間以上30時間未満▽賃金月額8万8000円以上▽学生ではない――などの要件があります。

 都道府県ごとに順次、最低賃金を引き上げます。全国加重平均は1055円で、昨年より51円上がります。物価高騰や、春闘でのかつてない賃上げを踏まえ、国が示した引き上げ額の目安は過去最高の50円でしたが、人口流出への危機感が高まる地方では、国の目安を上回る決定をした県が続出。中でも徳島県は84円と異例の大幅引き上げに踏み切りました。最低賃金が1000円を超えるのは16都道府県。最高は東京都の1163円、最低は秋田県の951円となります。

 新型コロナウイルスワクチンの定期接種が始まります。対象は65歳以上の高齢者と、60~64歳で基礎疾患がある人です。初年度は国が市町村に助成金を支給し、自己負担額は最大7000円程度になるよう調整されます。65歳未満で基礎疾患のない人は、費用が全額自己負担となる「任意接種」の扱いになります。接種は年1回で、24年度末までの供給量は約3200万回分となる見込みです。

特許切れ医薬品の窓口負担増

 特許の切れた医薬品の一部で窓口負担が上がります。価格が安い後発薬(ジェネリック医薬品)が出てから5年以上たっているなどが条件で、保湿用の塗り薬「ヒルドイド」や解熱鎮痛剤の「カロナール坐剤」など445成分1095品目が対象になります。先発薬と後発薬との価格差の25%を窓口で負担します。医師が必要と判断した時や、薬局に後発薬の在庫がない場合などは引き上げの対象にはなりません。【奥山はるな、塩田彩、加藤結花、藤渕志保】

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