都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス

撮影所の脇からにゅーんと出てくるバスを忘れない……。

西武バスの「リエッセ愛用路線」廃止へ

 西武バスは2024年11月18日、東京都練馬区で運行する「泉38」系統ほか「大泉桜高校線」について、2025年3月末をもって廃止すると発表しました。

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泉38系統で走る「リエッセ」(乗りものニュース編集部撮影)。

 この路線は西武池袋線の大泉学園駅から北へ、東映東京撮影所の前を通り、大泉桜高校から狭隘な住宅街を通って埼玉県境に近い長久保へ向かう路線です。2005年から専用の小型バス(ツーステップ・リフト付き)で運行されてきました。

 付近の幹線系統よりも住宅街の奥深くへ入っていくため、乗客も少なくない系統ですが、小型バスの運行だったことが廃止理由のひとつになりました。

 同路線では、日野の小型バス「ポンチョ」よりも旧式の「リエッセ」(2011年生産終了)が使われています。車両の老朽化が進み、本来であれば車両代替が必要なところ、「当該系統の収支状況や当該系統でしか運用ができない小型乗合車両代替の負担は大きい」とのこと。

 西武バスはすでに2019年、この路線について、「現状の乗車定員を確保した小型車両の代替ができない」との理由から減便に踏み切り、並行路線の中・大型化などの代替措置をとっていました。今回、乗務員不足の深刻化もあり、他系統も含めた乗務員数の見直しなども必要になるなかで、「泉38」ほかは廃止の判断をしたということです。

 これにより9つのバス停が休止もしくは廃止に。西武バスは利用者に向けて「学園通り(大泉学園駅北口・成増駅南口・吉祥寺駅・阿佐ヶ谷駅行きなど)、外環側道(大泉学園駅北口~和光市駅南口線)の各バス停をご利用いただきますよう、お願い申し上げます」とアナウンスしています。

 リエッセとポンチョは、スペック上の乗車定員はほぼ同じでも、「リエッセの方が確実に多く乗れる」と西武バスは話していました。このため、他地域でもリエッセ生産終了後、あえてポンチョではなくリエッセを投入するケースもありましたが、それらも老朽化が進行していると考えられます。

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