まさかの復活!? 空自の最新ステルス戦闘機に「ファントムII」の派手ハデ塗装だ! 期間限定で基地の外にも

航空自衛隊の第302飛行隊が創設50年を迎え、その一環として記念塗装機を披露しました。この部隊は最新ステルス戦闘機F-35Aを運用するため、派手な塗装はできないはず。しかし当該機には4色の派手なマークが描かれていました。

往年の傑作マークがついに復活!

 2024年9月28日、青森県の航空自衛隊三沢基地に所在する第302飛行隊が、創隊50周年を祝う式典行事を基地内で実施しました。この飛行隊は、最新鋭のステルス戦闘機F-35Aを運用する部隊であるため、会場には記念塗装が施された機体も展示されていました。

 第302飛行隊は、かつてF-4EJ「ファントムII」やその性能向上型であるF-4EJ改を運用していた飛行隊で、その尾翼には尾白鷲をモチーフにした部隊マークを大きく描いていました。

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式典会場に置かれた第302飛行隊のF-35A「ライトニングII」(布留川 司撮影)。

 尾白鷲をモチーフにしたのは、この部隊がもともと北海道の千歳基地で発足したからです。しかも意匠化するにあたり、尾白鷲の顔だけでなく、翼や尾まで全体を使って、それぞれ部隊ナンバーの「3(翼)」「0(尾)」「2(脚)」を模す形でデザインが組み合わせられており、かつ各々が赤青白黄という派手な配色でF-4の尾翼に大きく描かれていたことから、ファンや関係者のあいだでは“オジロワシのファントム”として有名な存在でもありました。

 その後、飛行隊で運用する機体がF-4からF-35Aに更新されたことで、国籍標識(日の丸)などとともに尾翼に描く部隊マークも地味なグレー系で配色された低視認性塗装、いわゆる「ロービジ塗装」になっています。これにより、往年の派手で大きなオジロワシの尾翼マークは、F-35Aで見ることはできなくなっていました。

 しかし、第302飛行隊ではこのたび、部隊創設50周年を記念してF-35Aに往年のフルカラーの尾白鷲マークを再現したのです。F-35Aはステルス機のため、前述したようにロービジ塗装が基本であり、世界を見渡してみてもカラー塗装は、一部の機体にスペシャルマーキングという形で特例的に行われているものしか見られません。

 そのため、航空自衛隊のF-35Aでは、この第302飛行隊の機体が初めてとなります。

“カラー尾白鷲”はいつまで見られる?

 第302飛行隊の記念塗装機は先月(9月)8日の三沢基地航空祭において、すでに披露されていますが、そのときは尾白鷲のマークも今回のような派手なものではなく、グレー系にマッチしたロービジ塗装でした。今回の派手な記念塗装機は、そのときの機体を式典用に再塗装してカラー化したものになります。

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第302飛行隊の創隊50周年式典での記念写真。任務の都合上ですべての隊員が参加することができなかったとのこと(布留川 司撮影)。

 使われた塗料はステルス性に影響のない特別なものですが、それでも色が付いたことで機体としての視認性は上がっており、この機体は塗装が塗られた状態では訓練のみで使われ、一定期間経った後に通常塗装機へと戻されるとのハナシでした。

 また、カラー化は尾翼だけでなく、空気取り入れ口の国籍マークの日の丸部分もされていますが、こちらは式典のためにシールで赤くしただけ。この状態で空を飛ぶことはないといいます。

 式典には現在の飛行隊の隊員だけでなく、第302飛行隊のOBたちも多く招かれていました。その中にはF-4EJとEJ改を乗りこなしたベテラン隊員も多く、最新鋭のF-35Aの尾翼に二度と見ることができないカラーの尾白鷲マークが再現されたことに感動した人も多かったようです。

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